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山田洋次『男はつらいよ 寅次郎紅の花』30歳を前にして寅さんを観る③


引き続き元旦。第1作→第42作と観て、第48作を観るというほんとうに謎の観方をしてしまった。公開の翌年に渥美清が亡くなったため、渥美清出演のシリーズ最後の作品となったとのこと。第25作『寅次郎ハイビスカスの花』以来、四度目の登場となる浅丘ルリ子演じるリリーが登場。しかも寅さんは奄美大島でリリーと同棲。かつてさくらが夢見た寅さんとリリーの結婚は、現実のものとなるのか? そして五回目となる後藤久美子演じる泉と満男の関係は?というふたつの恋の行方が描かれていく。阪神淡路大震災の被災地に立つ寅さんの「皆様、本当にご苦労様でした」という言葉は、俳優・渥美清の最期の台詞となったらしい。

第1作であんなに威勢のよかった寅さんの衰えがぐんと見えてなんだか悲しいねとパートナーと話ながら観ていた。もう最後になるかもしれないと全員が思いながら撮ったということ、山田洋次が、寅さんシリーズ最後に、満男の恋と寅さんの成就を両方成し遂げようとしたらしいが、やっぱりシリーズを順番に観ていないだけにいまいちの感動だった。これもまた一興。シリーズを通して観たあとにもう一度観て見ようとおもう。

1995|日本|110分|2.35:1
マドンナ!後藤久美子、浅丘ルリ子

30歳を前にして寅さんを観る


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