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2025/01/17 『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』


 今年でドラえもん映画45周年ということを記念して、歴代の人気作品を期間限定で再上映されることが決まりました。僕が好きな作品は『のび太のひみつ道具博物館』。ドラえもんが何者かに盗まれた鈴を、22世紀のひみつ道具博物館なる施設に探しに行くお話です。ウェブサイトでの人気投票が行われると知るや否や、毎日毎日地道にコツコツ、時には親の携帯からもアクセスして本作への票を投じてきました。その努力が実を結び、見事ドラえもんで一番好きな作品の再上映が決定したのです。

 スクリーンに足を踏み入れると、まだ一人も客が入っておらず、辺りは薄暗く閑散とした状態。物珍しくてついつい写真を撮ってしまいました。あんまり撮りすぎるとスタッフさんの巡回に鉢合わせたとき、映画泥棒と疑われかねないと我に返り、すぐに席へ戻りました。

 映画の視聴を終えたあとも、何回か見てきた作品ではあるんですけど、改めて作品の完成度に感動しましたね。「ひみつ道具博物館」という舞台を存分に活かした作風となっており、ドラえもん映画では珍しく、明確な悪意を持ったキャラクターが居ない作品なんですね。作品全体を通してコミカルで明るい雰囲気が保たれているからこそ、のび太たちが博物館を巡っている間はテーマパークにいる時のようなワクワク感が味わえる一作となってます。ドラえもんが生まれた22世紀が舞台になってるおかげで、いつもなら使用が制限されてしまうひみつ道具たちが惜しみなく登場します。何なら映画のキャラが使ってきます。ドラえもんファンとしては嬉しいポイントですね。

 表面だけ見れば、わさドラ初期にテレビで放送していた、ドラえもんの誕生日スペシャルの拡張版って感じはしますね。それって映画としてどうなのって思うかもしれませんが、本作は推理ものとしての要素を兼ね備えており、映画の尺を活かした伏線の回収が見事に決まってました。他にも怪盗DXの軽快なアクション、初期型のひみつ道具たちの豪壮さなど、映画ならではの見どころは沢山あります。

 そして何と言ってもドラえもんが最初から最後までかわいい!鈴を付けてないせいで野良ネコ化するところとか、最初ののび太に頼るところとか。基本的にドラえもん映画って、オリジナルキャラとのび太が友情を育んで成長し、強大な敵に立ち向かうのが主軸なことが多いため、のび太とドラえもんの友情が主軸になってる映画は少ないと思うんですよ。本作のオリジナルキャラクターは成長の描写が少ない分、師弟関係の描写が細密に描かれているのが特徴です。つまりドラえもんとのび太を主軸にするという、今まであまりされて来なかった試みをしながら、これまでの作品で好評だった要素も形を変えつつ取り入れてるんですよね。改めて抜けがないなと感心します。

 いかがだったでしょうか。実は今年の3月7日に公開される予定の『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』でも、ひみつ道具博物館と同じ寺本幸代さんが監督を務めています。もし、当記事を読んでドラえもん映画に興味を持った方がいらっしゃいましたら、是非観に行ってみてください。

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