介護・看護のワークシェアリングについて
こんにちは、アルゴです😊
ここ1,2年で介護のワークシェアリングサービスを展開する業者さんが増えてきましたね。
先日、介護専門のニュースサイト『ジョイント』さんのサイトで、ワークシェアリングについて記事がありました。
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今日はこのワークシェアリングについて、フリー介護職を名乗っている私の観点から、意見をお話できればと思います。
介護のワークシェアサービスとは?
ワークシェアリングサービスは、簡単に言えば、登録制の『日雇いバイト』です。
介護業界以外にもウーバーイーツ(シェアリングエコノミーの分野とも捉えられる)などがあります。
介護のワークシェアリングで有名なのが『スケッター』です。スキルがあるけど、とくに介護の仕事をしていない介護士が、スキマ時間を活用してスポット的に働けるというサービスです。
施設側にとっても、急な欠勤などがあった際に、活用できます。
活用する介護職はいるのか?
どこかの介護施設で正社員で働いている介護職が、このサービスを利用することはまずないでしょう。
不足する給料を、さらなる労働で補うくらいなら、給料の高い場所に転職する方が圧倒的に良いです。
今の施設が気に入っていて転職したくないけど、収入を増やしたいというのなら、在宅でできる副業の方が、将来的には稼げます。
私は介護に関するマンガや本をAmazon電子書籍を作っているのですが、寝ている間にも売上があるので、ストック資産を一度作ってしまうことをオススメします。
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ともあれ、ワークシェアリングを活用したいという介護士は、私のような直接介護以外の仕事もしているフリー介護職やパート、専業主婦などが多いのではないでしょうか?
大手ワークシェアリングサービスを覗き見
実際に、ワークシェアリングサイトを利用して、仕事を探してみました。
今回使ってみたのはこちらも大手、『U-care』です。これは有線放送のUSENが展開するサービスで、スケッターに比べるとまだできたばかりのサービスです。
ですが、USENはU-NEXTなどの動画サービスも展開しており、知名度と実績には期待ができそうです!
探してみたのは、この記事を執筆している6/29の時点で、検索地域は関東周辺(東京、神奈川、千葉、埼玉)になります。
まず2日後の7/1(木)の仕事を、千葉で検索してみました。
千葉全域でも案件は1件も見つかりませんでした。
つづいて、神奈川県の同じ7/1で検索。
む…やっぱり見つかりません。
ちょっとさかのぼって、執筆日の6/29を検索。
この日は1件だけ見つかりました。
(施設名・住所等は伏せています)
デイサービスでこの9125円という日給は、交通費込みだとしてもかなり良い条件だと思います。時給換算すると約1350円です!
ですが、募集人数1人に対して申し込みがなかったようで、終了案件となっていました。
この『U-care』がサービスを展開しているのはまだ関東(東京、神奈川、千葉、埼玉)のみなので、これから発展していくものだと思います。
介護のワークシェアリングの難しさ
私は過去に、介護のワークシェアリングの難しさを記事や著書でとりあげてきましたが、再度ここでお話します。
『介護』という仕事は、資格や経験がある人が、新しい施設にいって、その日から即戦力になることはほぼありえません。
なぜかというと、介護はチームワークなので、
●ご利用者のこと(顔と名前、疾病、性格、趣味趣向、生活歴)
●一緒に働く職員のこと(顔と名前、役割)
●職場のこと(物品の置き場所、薬の保管場所・ルール、緊急時の対処)
などが分かっていないと、一人前の職員としてカウントすらできないからです。
通常、専門的に介護を学んだ職員ですら、独り立ちするのは3ヶ月くらいは時間を要します。
認知症のお年寄り・・・といっても、その人がどのような認知症で、生活歴や性格を知らなければ、対応もできないですよね。対話ボランティアのようにお話するくらいならできそうですが…。
資格と経験があるからといって、今日初めて行く施設で、上記の情報を全く分かっていない中では働けないからです。
最悪、『誤薬』などの重大な事故にも繋がりかねないです。
なので施設側としても、スポット的に職員のワークシェアサービスを利用しても、1日だけのためにいろんなことを教えるか・・・?といったら、そこまでの労力をかけるかが疑問です。
出来たとしても、皿洗い、掃除、リネン交換くらいなものでしょうか?それにしても、物品の置き場所などを指示しなければなりません。
だから施設側としては欠勤した職員の穴埋めを、ワークシェアで一人計算できる職員を雇うことは難しいし、費用対効果もないといえるでしょう。
看護はワークシェアリングにむいていると思う
いっぽう、介護に比べて看護はワークシェアリングにむいているのではないかと思いました。
看護師にしても、上記のような条件をクリアしないと、一人前職員として働けないのは、介護士と同じです。
ですが、介護と看護が大きく違う点があります。
『介護福祉士』が名称独占資格なのに比べて、『看護師』が業務独占資格であるということです。どちらも国家資格でありながら、この差は非常に大きいです。
『経管栄養』『点滴』『注射』『褥瘡の処置』など看護師しかできない業務があるのが事実です。
<実際に入れ替わり看護師が来ていた私の施設の体験談>
数年前に私が働いていた施設で、部署に2名しかいない看護師のひとりが急な退職で大ピンチになったときがありました。
10人が9人になるのならまだ良いのですが、2人しかいない看護師が1人になるのは、同じ1人減るのでも、残された看護師の負担は大きいです。
(これが小規模事業所のデメリットかもしれません)
ですがその時に、ワークシェアリングサービスではないのですが、派遣の看護師が代わる代わる来て、業務をこなしてくれました。
看護師の業務というのは、先程お話したとおり、看護師でしかできない業務なのですが、反面、やることがかなり狭まっているといえます。
ゆえに、受け入れ事業所側にきちんとしたマニュアルがあれば、それなりに対応が可能なのです。
施設側としても、看護師がいないと業務が成り立たないピンチを救ってくれたのが派遣でした。
毎日来るのが同じ看護師さんでなくても、非常に助かる・・・とうのが、施設の役職者として私が持った感想です。
介護ワークシェアリングはまだ発展途上
看護の歴史は介護の歴史よりも長いです。
『介護過程』『看護過程』という専門的なケアの捉え方がありますが、『看護過程』は『介護過程』ができるはるか前から存在していたのです。
働き方やケアに対する考え方すべてにおいて、介護は看護に遅れをとっているといえます。
こうした人材不足を補うには、国の対策が大きなカギを握っていますが、私たち末端の職員でも工夫をしなければいけません。
「ああ、人がいない、どうしよう!」
「国が悪いんだ!」
と嘆いていても、目の前の人手不足が解消されるわけではありません。
介護業界の人材不足は日に日に加速していきます。こうした中で、このようなワークシェアリングサービスは、非常に期待がもたれるところです。
私はフリーの介護福祉士として、自分の事業も行いながら、ワークシェアリングサービスなども活用・・・そして情報発信を続けることで少しでも普及に貢献できればと思っています。
この記事に関連する、過去の記事のリンクを貼っておきますので、ご覧いただけると幸いです。
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