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那智瀧図
那智瀧を御神体と見做し、周辺の自然景や飛瀑をありのままに描き、巨木や奇石、滝など自然そのものを神聖視しています。《那智瀧図》は「日本的霊性」をあらわす"霊性アート"ではないかと考えます。
![](https://assets.st-note.com/img/1722219495210-smJvrDpsdP.png)
鎌倉時代(13世紀末頃)
根津美術館蔵
那智瀧図に感動したアンドレ・マルロー
アンドレ・マルローは、根津美術館で見て衝撃を受け、その後、那智で実際の瀧を目の前に絶句したという。
「滝はここではまさしく神だ。自然の超自然として、つまり自然の精神化としても神なのだ」
杉本博司はマルローが《那智瀧図》を述懐する言葉を紹介しています。
「この掛軸は絵ではない(中略)ひとつの記号だ」。
「この垂直の水は、二百メートルの高さから落ちているのに不動だ」。
「静寂から生まれた風景」。
「空へ向かってそそり立つ白い剣」。
「(那智の滝の精神は)つねに、下にいる人間と上にある空との対話だ」。
その感動を表現するのにいくら言葉をつくしても足りないようだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1722223599285-LSkkFqky9H.jpg)
2005年発行
杉本博司《那智滝図》
1977年に華厳滝を撮影した前後、那智の滝も撮影したが満足出来なかったといいます。
2010年を過ぎて、気持ちが満ち再挑戦、ようやく2020年に軸装された作品は『本歌取り』で巡回展示されました。
![](https://assets.st-note.com/img/1722230500712-ZGnnBHpSSx.jpg?width=1200)
2012年撮影 2020年軸装
杉本博司《華厳滝図》
アメリカに住み「日本的霊性」を自問していた頃、1977年の一時帰国の際に日本各地の滝をまわり、日光では霧雨の中で一瞬垣間見た華厳滝を撮影したという。
![](https://assets.st-note.com/img/1722230325547-LWdEXVtRYX.jpg?width=1200)
1977年撮影 2005年軸装
恐れながらリスペクト撮影してみました
![](https://assets.st-note.com/img/1722230807006-xZ4m6JjOAO.jpg?width=1200)
似ても似つかない華厳の滝
(2011年夏、震災後観光客もまばらな中で撮影)
"霊性アート"とそうではないものとの比較です。
"霊性アート"とは?
どのような作品か?
先行研究者は?
宗教美術との違いは?
そもそも霊性ってなんだろう?
怪しさとの境界!?
今後これらをまとめていきます。