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Love Letter
数年前、実家を引き払うため大掃除を一人でしていた時の事。
俺が使っていた部屋から中学から高校時代の約3年間付き合った彼女がくれた手紙の山が出てきた。
何通あるのか?ちゃんと数えてないけど、相当数出てきた。
多分、俺が彼女のことを忘れられなくて、捨てられなかったんだと思う。
彼女との出会いは中学二年生の時だった。
同じクラスになって、教室に生徒のフルネームが書かれた大きな貼り紙を何となく見ていると、
当時流行っていた漫画のタイトルと同じ名前を見つけた。
どんな子だろうって、見ると小柄な可愛い女の子だった。
それから、何となく彼女を意識していたが、中々接点もなくて...
そんな日々が続いて迎えたバレンタインデー。
まさかと思ったけど、その彼女からチョコレートを貰った。
ちゃんと、「ありがとう」を言う前に彼女は照れていたのか?走り去った。
友人たちにも「絶対告白しろ!」って後押しされて、ホワイトデーにお返しして、彼女とのお付き合いが始まった。
これが、ちゃんと告白して女性と付き合うってなった初めての彼女。
本当に想い続けたことがまさか現実のものになるとは思いもよらなかった。
だが直ぐに中3になり、高校受験の準備が始まる。
気になるのはお互いの志望校。
担任から言われた、二人の合格圏の高校は違っていたけど、二人で丁度中間のレベルにあった高校を受験して、それが叶い同じ高校に入学した。
まさか、こんなにトントン拍子に事が進むとは…
しかし、彼女は直ぐに高校で学年1位2位を争うような”可愛い子”と称され、中学の卒業アルバムを見た他校の男子からも家に電話が掛かってくるほど注目が集まっていた。
彼女はバレー部、そして俺は陸上部に入り、過ごしていたけど、それぞれの友人との関係が楽しくなっていたことと、彼女が有名になるほど何か俺の手の届かないところに行ってしまったような感じもあって結局、高2で別れてしまった。
その時を思い出し、何通か読むとその時の思いが溢れる手紙だった。
メールも携帯もスマホもない時代の話...
手紙のやり取りなんて、今じゃ考えられないけど、何かあの時代はあの時代で、その不自由さが素敵な時間だったんだなぁ~って思った。
今じゃ、LINEや色んなコミュニケーションツールで手軽に繋がりあえる時代。
当時は電話するにも家電。
誰が出るのかドキドキしながら掛けたものだ。
想いを手紙に託すなんて、今の時代じゃ”ダサい”のかもしれないけど、想いを文章に託すって当時はそれしか術がなかったとはいえ、そのエネルギーは凄いものだったんだろうなぁ~ってしみじみ思った。
同時に俺が当時、カメラにハマっていたこともあり、彼女の写真も出てきた。
今見返しても、俺には勿体ないくらいの素敵な彼女でした...