多動力 堀江貴文

「多動力 堀江貴文」

書店で気にはなっていたものの、いままであまり堀江本は読んでいない。

今回はビジネスパートナーから「多動力ってありますよね、読んでないですが。」と話が上がった。彼いわく、僕の今の活動や役割がまさにそうなのではないかとのこと。「ああやって色々な役割を持って活動するって、普通のサラリーマンにはできない、でもこれからそうなっていくんでしょうね。そういう1つの指針になっていくんじゃないですか。」だそう。

そんなことを言われたので、さっそく読んでみた。

堀江さんがどうやってたくさんの役割と活動を実践しているのかのノウハウ本とも言える内容ではあったが、効率よくそして楽しく行きていくことのヒントをくれる本でした。

興味深かったのは、元リクルートの藤原さんの言葉を参考に、

「一人前になるには1万時間と言われている。5年1つの仕事を担当するとだいたい一人前になる。一人前の時点で100人に1人の存在になれる。でもこれだと周りにたくさんいるので競争力がない。それを3つの肩書をもてば、100x100x100=100万人に1人になる。つまり一人前の1万倍の価値になる。」

というメッセージ。そうなれば、他にあなたの代わりはいなくなり、自分の価値は自分で決めることができるようになると。

「1つのことに徹底的にハマって、80%理解したら飽きて良い。飽きるということは成長したということ。次の興味を見つけてハマればよい。」

これは僕もそういうタイプなので。1つをとことん突き詰めてオンリーワンのエキスパートになるよりは、ある程度のところまでをマスターして、それを幅広く持ちたいタイプ。社会人1年生のときからそっちの進み方をしてきた。1つ深いことを持ちつつ、幅広く。そうなると深さも知った上で、幅広さを手に入れることができると。

「自分の原液を作って仕事をさせる。寝ている間も他のことをしている間も分身が勝手に動いてくれる仕組みを作ること。」

これもまさにそう。数年前から今のような何足ものわらじをはく生活を目指してきてから、それまで自分がやる、自分が決める、というスタイルから、教えて任せてアドバイスする形に変えてきた。そうすることによって四六時中自分がオフィスにいなくても、彼らのメールを即時に返信しなくて、見積を1つ1つつぶさにチェックしなくてもよくなってきた。そうじゃないと、重要な会議をしていても、電話やメールが止まらない。体は別のところにいるのに、心も作業もオフィスにいるような状態になってしまう。それだと、それまでの規模にしか成長できない。

「固定観念にとらわれず、例えば1日10軒ハシゴしてしまえ」

これはあくまで「固定観念にとらわれるな」ということの例えだとは思っているが、実際にハシゴをすることで自由度が一気にあがる。

今みたいに東京にいる時間が限られていると、いいことがいくつかある。

1つは時間が限られているので、この機会に決めてしまおうという気持ちに参加者がなる。なので決断するための準備やその場の議論の密度が素晴らしく高くなること。凝縮して一気に放出するのでストレートに論点だけの議論ができ、スムーズに決断ができる。

2つ目はハシゴ。ハシゴのメリットは場所を変え環境を変えることで相手との距離がぐっと近づく、1軒目よりも2軒目、3軒目と近づいていく。これは通常だと3回に渡って予定を入れないと会えないような環境に一晩でなれることからだと僕は思っている。もう1つ、ハシゴだと一晩でいくつもの予定を入れることができる。昼と夜だけでは数が足りない場合などは特にそう。夜の一次会で2人でしか話せない話をして、二次会では他の幹部も巻き込んで、2人で大筋握った上で少し他のメンバーも巻き込みができる。三次会では例えばまったく異なるチームに遅れて合流し、その晩の話をサマリーで聞かせてもらいキャッチアップする。こんなふうに非常に効率よく、そして密度濃く過ごすことができる。僕はそんなふうにも理解して活用していたりする。

などなど、じっくり読んでも3時間程度で終わる非常に僕にとっては意味のある本でした。忘れそうなときには読みかえしていきたい。

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