【映画レビュー】彼が通った後は焼け野原。歩く人間竜巻『ビーキーパー』(70点/100点満点)
閲覧ありがとうございます。今回は2025年1月3日公開、ジェイソン・ステイサム主演の養蜂家アクション『ビーキーパー』をレビューしていきます。
ステイサム主演のアクション映画は数多くありますが、本作は歴代最強との触れ込み。期待が高まりますが果たしてどうだったでしょうか?
あらすじ
親切な老婆が貸してくれた土地で養蜂場を営む主人公アダム(ジェイソン・ステイサム)は、彼女に恩義を感じながら平穏に暮らしていた。しかし、彼女は悪質な詐欺集団に騙され全財産を失い、絶望の末自殺してしまう。アダムは静かにブチ切れ、恩人を死に追いやった連中への復讐に動き出す……
ネタバレ無し感想
ステイサム史上「歴代最強」の看板に偽り無し。彼が戦闘した場所はまるで竜巻が通ったかのように滅茶苦茶に破壊され、人は薙ぎ倒されます。“養蜂家”という設定ですが、ナルトのシノのように蜂を使った攻撃をする訳ではなく普通に物理で殴ります。主人公があまりに強く神出鬼没なので、敵側の視点に立つともはやモンスターパニックホラー。『ジョン・ウィック』や『RRR』といった、主人公無双系・やり過ぎで笑っちゃう系アクション映画が好きな人には特にオススメです。
ネタバレ有り感想
①良くも悪くも異様に早い展開
開幕、まるでシリアス系サスペンスドラマのOPのような蜂ムービーが流れて笑いました。そこからはとにかくテンポが早いです。爆速で恩人の老婆は騙されて自殺し、爆速で最初の復讐が始まります。多分開始10分も経ってないです。老婆の娘はFBI捜査官で、物語にも大きく関わってくるのですが、せめて死ぬ前に娘に相談しろよ!と思わずツッコミを入れてしまいました。観客はアクションを観に来ているので、グダグダ復讐の背景を説明せず戦闘に移行するのは良いと思いますが、流石に早すぎて老婆が復讐の為に殺された舞台装置に感じてしまいました。まあこの手の“復讐アクション”にはあるあるの問題ですね。
②「養蜂家」って何だよ
とんでもない戦闘力で敵を薙ぎ倒す主人公ですが、実は「養蜂家」という極秘組織の元戦闘員であったことが明らかになります。何だそれ。名前ダサ過ぎる。この手の主人公無双映画は主人公の強さに説得力を持たせる為、大抵元軍人とか元殺し屋とかの属性が付き物ですが、ここまでダサい組織名は初めてで逆に良かったです。
③最高のやり過ぎアクション
肝心のアクションですが、素晴らしかったです。肉弾戦の迫力は勿論、主人公が物陰や天井から現れて敵を1人ずつ静かに殲滅する様は、まるで『エイリアン(無印)』のゼノモーフのよう。中盤のタワービルでの戦闘では、FBI集団のど真ん中に大胆にも現れ、丸腰で全員制圧していまうという圧倒的強さを見せつけます。エレベーターに敵をくくりつけ、落下させて倒すシーンでは、敵の阿鼻叫喚も相まって完全にホラー。「火事です。火事です」と火災報知器が鳴る中主人公の背中を映すカットは、まさに彼自身が災害であることを表しているようでした。実際、彼が敵を殲滅した跡を観て「まるで竜巻が通ったみたい」と言われていましたね。現役の“養蜂家”と闘うシーンでは、敵がガソリンスタンドで機関銃を乱射し始め、その距離は爆発したらお前も死ぬぞとツッコミを入れてしまいました。そのあとあっさり倒され燃やされてて草
まとめ
異様に早いテンポでこれでもかとアクションを詰め込んだ105分間で満足度が高いです。主人公が最強すぎてもはやホラーになっているのが笑えます。FBI捜査官が突入の際に何故か動きにくいジーパン着用など、気になる点やツッコミ所は満載ですが、それすらご愛嬌で笑いに繋がっていました。ストーリーはシンプルで「どんでん返しが……」といった意外性は無いですが、とにかく笑える主人公無双アクションを摂取したい時には『ジョン・ウィック』シリーズより適任かもしれません。続編が作れそうな終わり方だったので、もしあれば絶対観に行きます