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【書籍紹介】パーティが終わって、中年が始まる(pha著)

みなさま、こんにちは!
本日はphaさんの著書「パーティが終わって、中年が始まる」を紹介したいと思います。
早速ですが、それではどうぞ!


書籍のあらすじ・全体像

  • 著者本人の2,30代振り返りと40代になっての衰退感/達観姿勢/すべての受容性といったものが具体的なエピソードを通じて語られている

  • 2,30代で尖った生き方をしていた人が、40代になってどのようなことを考えてどのような生き方をしているか、その一例が垣間見える


印象に残ったフレーズ

そんな自分でも、最近は若者と話すたびに、目上の人として気を遣われていることを感じる。自分が否応なく存在感や権力を持ってしまっていることを自覚せざるを得ない。こんなつもりじゃなかったのにな。年をとっても内面は大して若いときと変わっていないから、据わりの悪さを感じる。ずっとどうでもいいふらふらとした存在でいたかった。

パーティーが終わって、中年が始まる(pha著、幻冬舎単行本)

回転寿司が嫌で猫型ロボットがいいのはなぜだろう。猫の顔がついていて、「ありがとうニャン」とか、かわいい声で話すからだろうか。冷たい感じの自動音声で「道をあけてください」と言われると、ちょっとイラッとして「機械のくせに態度が大きくないか、人間の野蛮さを見せてやろうか」とか思ってしまうけど、かわいい声で「道をあけてほしいニャン」って言われると、「おお、ごめんごめん、今すぐあけるね」って思ってしまう。

パーティーが終わって、中年が始まる(pha著、幻冬舎単行本)

一緒に住む以外で人と仲良くなるやり方がすっかりわからなくなってしまった。自分から誰かに、「電話してもいい?」とか、「ごはんを食べよう」とか、「今度飲みに行きましょう」とか、声をかけていくしかないのだろうか。苦手だけど、最近はがんばって人を誘ったりしている。もっと若いうちに慣れるべきことを、僕は四十代まで先送りにしてきただけなのだろう。

パーティーが終わって、中年が始まる(pha著、幻冬舎単行本)

四十代になった今はもう、ここではないどこかに何かもっと素晴らしいものがあるはずだ、という気持ちはあまりなくなってきた。大体のことはもう見た気がする。期待を超えることはもうそんなに人生で起きないのだろうと思う。しかし、まだ東京で何かをやっていきたい、という気持ちがあるのは、まだ少し、ここにはない何かが存在することに期待しているところがあるのかもしれない。かすかだけど、まだ現状に満足していない何かが自分の中にある、ということに気づくのは、嬉しいことだ。それは若さのかけらである気がするからだ。

パーティーが終わって、中年が始まる(pha著、幻冬舎単行本)

SNSで、普通の人間ぽくない変なハンドルネームで(たとえば「暴れ大納言」みたいな)、生活感のない変なことをいつもつぶやいている人たちが、ときどき何かの拍子に普段は普通の社会人として働いているのを匂わせるようなことをつぶやいたとき、少し裏切られたような気持ちになる。

パーティーが終わって、中年が始まる(pha著、幻冬舎単行本)

四十代くらいで、僕と同じような虚無感を抱いている人は他にもいるだろう。そういう人たちに向けた文章があってもいいだろう。そういう方向性でやってみよう。しかし今までと意識を切り替える必要があったからか、書くのにちょっと苦戦して、一年くらい全然進まなかったりもした。なんとか完成して、よかった。

パーティーが終わって、中年が始まる(pha著、幻冬舎単行本)


所感・まとめ

この本は本当に素晴らしいですね。共感の嵐です。
栄枯盛衰/盛者必衰/諸行無常とは少し違うかもしれませんが、「衰退していくさまを上手く言語化している点」と「共感を得られる内容となっている点」がこの本の魅力と考えています。
比較的短めかつ読みやすい文体の書籍なので、手に取りやすいのも良い点かなと感じます。
あと、上述の印象に残ったフレーズでもひとつ取り上げましたが、ネットや情報技術の未来感についてところどころ語られているのも、なるほどと感じさせてくれる示唆がありました。


最後に

いかがでしたでしょうか?
今後も私自身が大きく影響を受けた書籍や心を動かされた書籍など、様々な書籍を紹介していきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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