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【広島商人】売上は一部「平和記念資料館」に寄付します

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この文章は昭和31年11月に発行された「広島商人」(久保辰雄著)の冒頭です。(原文のまま、改行を適宜挿入) 広島は原爆が投下された約一か月後に、死者・行方不明者を2000人以上…
本マガジンへの売上は電子化経費が回収できた時点で残りを「平和記念資料館収蔵資料の保存措置の強化」の…
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記事一覧

【広島商人】知られざる戦後復興の立役者(1)予言

1  予言 昭和20年7月4日、私は呉海軍施設部長との約束、急需要品の調達促進をはかる公用を…

【広島商人】知られざる戦後復興の立役者(2)あの日

マガジンで全話読めます!(売上は一部平和記念資料館に寄付します) 2 あの日 私の家は広…

【広島商人】知られざる戦後復興の立役者(3)灰燼のわが家へ

マガジンで全話読めます!(売上は一部平和記念資料館に寄付します) 3 灰燼のわが家へ 何…

【広島商人】知られざる戦後復興の立役者(4)二日目

マガジンで全話読めます!(売上は一部平和記念資料館に寄付します) 4 二日目 夜が明けた…

【広島商人】知られざる戦後復興の立役者(5)未曾有の大風水害

マガジンで全話読めます!(売上は一部平和記念資料館に寄付します) 5 未曾有の大風水害 …

【広島商人】知られざる戦後復興の立役者(6)叺三十万枚の懇請

マガジンで全話読めます!(売上は一部平和記念資料館に寄付します) 6 叺三十万枚の懇請 …

【広島商人】知られざる戦後復興の立役者(7)船長の協力

マガジンで全話読めます!(売上は一部平和記念資料館に寄付します) 7 船長の協力 この谷にも久しぶりにおとずれた朝陽が、虹を逆にしたように、樹木の間から幾筋も射しこんで、親子の進路を照らしている。    「お父さんも利雄も気をつけてね」    房子の顔には涙が流れている。宇品へむけて己斐からいくには、いつもなら電車に乗って約一時間。 とにもかくにも、徒歩で宇品へ着いたのが正午すぎである。 うそのようなほんとの話である。 豪雨に洗われた空は澄み透っている。   途中、栄養失調

【広島商人】知られざる戦後復興の立役者(8)船路

マガジンで全話読めます!(売上は一部平和記念資料館に寄付します) 8 船路 暁の海の小波…

【広島商人】知られざる戦後復興の立役者(9)坂出港での困難

マガジンで全話読めます!(売上は一部平和記念資料館に寄付します) 9 坂出港での困難 坂…

【広島商人】知られざる戦後復興の立役者(10)突破

マガジンで全話読めます!(売上は一部平和記念資料館に寄付します) 10 突破 ようやく竹…

【広島商人】知られざる戦後復興の立役者(11)再度の懇請を引受ける

マガジンで全話読めます!(売上は一部平和記念資料館に寄付します) 11 再度の懇請を引受…

【広島商人】知られざる戦後復興の立役者(12)作業場の建設

マガジンで全話読めます!(売上は一部平和記念資料館に寄付します) 12 作業場の建設  …

【広島商人】知られざる戦後復興の立役者(13)板ばさみ

マガジンで全話読めます!(売上は一部平和記念資料館に寄付します) 13 板ばさみ 朝風が…

【広島商人】知られざる戦後復興の立役者(14)丹那の役員会議

マガジンで全話読めます!(売上は一部平和記念資料館に寄付します) 14 丹那の役員会議 人間の誤解は、第三者がはいりこんでこない限り、 決して重大なことではないと思う。 しかしいつかは第三者がはいりこんでくるものである。 この世ではあまりに多くの人が、他人を不和ならしめようとしている。    とりかかっていた百二十坪あまりの作業場の工事も、 トタンぶきのことではあり、漸次進捗して、荷受け体制があと幾日かで 完成に近づくことが予想される。 十月の二十四、五日のこと、突然、私が