この世界に立ち

この星に生まれてすぐ
僕はまだ自分で立てなかった
お父さんやお母さんに支えられて
1年くらいで立てるようになった

立てるようになったら
今度は外の世界を歩きたくなった
でも やっぱり上手く歩けない
またお父さんやお母さんに支えられる
1年したら 走れるまでになった

周りに僕と同じような子たちがいる
僕はその中での立ち方に戸惑う
みんなは同じように立てるのに
僕だけみんなとなんだか違う
僕はそれでも立とうとした

だけど 前みたいに楽しくない
立つことがこんなに苦しいなんて

僕が大人になる頃に
他のみんなは自分で立てている
だけど 僕はいつまで経っても
上手く立てない
自分の足で立てると思ってたのに
ぎこちない立ち方をからかわれて
いつのまにか自信がなくなってた
僕は今座ったままだ

でも 本当は立ちたいんだ
この世界を旅立つときがきても
僕は立てないままかもしれない


だけど 父さんや母さんに支えられ
立つことができたあの頃を
思い出すと
また 立ちたいと
今度は自分だけで立ちたいと
自信を持って立ちたいと
それがこの星に立つ意味なんだと
思わずにはいられないんだ

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