読書による理解と思考様式への熟達
読書イメージ。初めに読み込んだ個別の単語の意味と、それら複数を繋げ可能な限り広く一つの意味の固まりに、それらの意味と繋がりを保持した、高速周回による文章全体の理解と脳への定着。周回し最適化するロボトレースや楽器の練習、種々のタイムトライアルでのような習熟と効率化
それは、初期読み込みでの理解によるパターン認識、長期記憶にあるコードへの関連付けとイメージの割り当て、複数意味を一塊としたチャンキングとそれらの関連付けによる圧縮、ノード化とそのデータ構造化
意味への重み付けとリズミカルな周回、周回毎の効率化・高速化。それによる、短期記憶の長期記憶化、ということになる
文章として。文字のパターン認知、背景法則の把握、句や文単位での瞬時イメージ化。一連の動作への習熟、細かい動作の全体への動作への取り込み、それによる無意識化。字は語、語は句、句は文の理解に取り込まれ反射的に。心象の内容、イメージへの関心・注意。緊張からの自由・感覚フィードバックへの適切な制御。その為には寛ぎが重要
脳や記憶に関して。脳は文字や単語を認識し、意味を読み取る。大脳皮質の言語を専門に処理する領域(言語野)。単語を発するために動かした筋肉の動きや、単語に対する入力は記憶に蓄えられる。筆記、音声。それら相互の結びつき。読書時に想像力は刺激を受け、テキストに暗示されるイメージを作り、知能を活性化させる
読書プロセスにおけるチャンキングは、抽象と具体の往還を通じた情報の圧縮・構造化、自己の思考体系へのとり込み。記憶の累積でない情報の再構成・再解釈。イメージによる変換はほぼ不可逆で飛躍もある、それは検証すればいい
自由なイメージ変換の許容は、より深い理解と応用力へと結びつく。この動的プロセスが、ただの暗記から拡張された新しいアイデアや独自の視点を生む知的活動の基盤となる。原文の拘束や理解を定式化した暗記は情報の流動性を失わせる
要約とその敷衍は思考の流れをソースコード的に表し、検証発展、またそれを再取り込みすることができる。その往還も厳密に過ぎれば制約になり、アブダクションからそれを根拠づけるといったこともまた必要になる
役割は分担し、要約は要約として創造的な面とは切り離す。自己判断の無い、著者の思考を考慮した構成。全体を通読した、書かれた過程、展開をたどっての全体の主張と論旨の推測。各章を要約しその役割、相互関係から全体を構成した、そこからの要旨導出、個々のモジュール化と体系化構造化
文法や形式的なルールよりも機能と役割を重視する。目的を持った最小限で機能する特定の回路と、それらで構成される全体像、基盤。これは論理式的なもので固有の体系の意味に拘束されず、他分野や異体系とも組み付けることが可能になる。要約ブロックの自由な組付け
それは個人の望みや価値観に基づき、組み合わせから感じ取ったそこにない情報に結び付け、それを元に再構成するといった営みが必要になる。一般にどういうものなのかではなく、それはどう捉えることができて何が可能なのか
それらを踏まえ構築した上での、処理能力の向上。体系的思考を持った日々の演習、ネットワーク中相互のフィードバックの循環、有効な直観(ヒューリスティック)。脳内データベースからの迅速な最適解の導出、その為の言葉の定義やコンテクスト条件等の各種設定。観察・仮説・推論・短絡・分析結果の解釈・適応等バックグラウンドで無意識に行える処理を増やしていく
モジュール化した要約ブロックは単体で意味を持つノード、それを関連性でつなぐエッジ、そして脳の長期記憶のコード間相互の様々な意味のつながりや関連性と想起しやすさを、トレーニングで強化する。エッジを太く短くし、ネットワークを張り巡らせる。そのシステムとしての動作が基盤となる
好循環でも徐々にずれが生じることは防ぎがたいので、時々基礎からみなおし、いわば思考様式のオーバーホールを定期的にする必要がある。そのためにはソースコードとしての書き出しを元にするのが有効。身についているとしても常に反射的に営んでいては基礎から外れ、基礎の元となる学術的なものも日々刷新される。楽器練習のように基礎トレーニングを、そのための読書や要約、思考の書き出しなどが重要になり、思考様式への熟達の営みは終わることが無い