おかしな行動
まず、前回の話題で聞かれることがありましたので、お応えします。
尿管結石で、なんで痛みになるのか?という内容に対する答えですが、痛みの種類に「伸展痛」というものです。尿管結石は尿管に石が詰まるわけですが、そこにはどんどん尿が上から押し寄せてくるわけですが、石でふさがっていると、そこまでの尿管、腎臓が膨れます。内臓にはもともと覆っている膜があり、そこには神経もあります。膨れると神経も刺激され痛みが生じるという仕組みです。答えになっているでしょうか?
今日は、最近、救急当直中にためになる?一般の方には知っていてもらいたいことがよくありましたので、ご紹介していきたいと思います。
認知症で異常行動が目立つという患者さんのお話です。
もちろん異常行動は認知症でよくあることです。神経内科で、脳波を測定したり、MRIを撮影したりと様々な検査をされていて、認知症の診断に至ったようです。
しかし、今回は、朝の3時に救急車を呼ばれ「いつもと違い、奥さんの上に乗っかったり、本当におかしい」とのことでした。
来院時、手足の麻痺はなく、受け答えもでき、血圧や、脈拍も正常で、酸素の状態も問題ありませんでした。ご家族に「いつもとどう違うのでしょうか」と聞くと、「なんか本当におかしいんです」と。こちらとしてはどう判断してよいかと思っていましたが、「最近よくこけるんです。」との一言に引っ掛かりました。
これは頭を良く打っているのかもと。
頭のCTをとると、10月にはなかった血腫(血のたまり)がありました。
診断:慢性硬膜下血腫
この病気は、すぐには発症しないところに問題があり、頭を打って1、2か月後に症状として、急に失禁したり、異常行動、何か体調がすぐれないなど、見過ごされることも多くあります。以前勤めていた病院で、同僚の年配の先生が、出勤後になんか調子が悪い、だるいさがあるということで、色々調べた結果、両側の慢性硬膜下血腫の診断で、そのまま緊急入院となりました。2週間ほど前に自転車で転倒し頭を強く打った経緯があったそうです。
また、急に認知症状が進行したりした場合なども要注意です。
救急当直での、タメになる話、おかしな話なども随時掲載していきます。
次回は、なんで「こむらかえり」って起こるの?というのをお話しします。
では、また。