高血圧症の運動療法

本日は前回に引き続き高血圧症ならびに生活習慣病を含めて運動療法についてお話しさせていただきます。

ひとえに運動療法と言ってもさまざまです。
単に歩くということから、ジムに行って筋力アップのトレーニングしたりと幅が広いです。ここでは、現在、お腹周りが大きくなってきたとか血糖値が高くなってきたとか、血圧が上がってきたなどの生活習慣病にかかられている方で、最低限これからの合併症を防ぐため、さらには高血圧や糖尿病、脂質代謝異常を改善しお薬が減らせるようになるための運動についてお話しします。 

① 有酸素運動

酸素を取り込みながら行う筋肉への負荷が少ない運動のことです。ジョギングやウォーキング、エアロビクス、自転車や水中運動などが該当します。
有酸素運動を行うことで、収縮期血圧(上の血圧)が2~5 mmHg、拡張期血圧が1~4 mmHg低下すると期待されています。
また、運動直後に血圧が下降し、そのまま下降した状態が約22時間続くことも特徴です。

推奨:1回10分以上の有酸素運動を1日に合計で40分以上行うことが推奨されています。約5メッツの強度で月に2~12回の運動を週に0.5~2時間行うことも収縮期血圧(上の血圧)の低下に効果があるとされているため、まずは無理のない範囲で運動を習慣化してみましょう。
ちなみに5メッツとは、毎分107 m(およそ時速6.5km)の速さで早歩きの強度に相当します。

② 筋力トレーニング

ダンベルフライやダンベルスクワット、チェストブレスなどの軽い筋力トレーニングも効果的です。
ただし、筋力トレーニングのみを行った場合の有効性についてはまだ明確にわかっていない部分もあります。筋力トレーニングを行うことで血圧が有意に低下したというデータがある一方で、あまり有意な差はなかったというデータもあります。
そのため、有酸素運動と組み合わせて行うようにしましょう。筋力トレーニングは骨粗しょう症や腰痛、膝痛などの予防に効果的です。

ぼくは、昨年から当クリニックのとなりの加圧トレーニングを毎週続けております。1年前は血圧が140以上の高血圧で早く薬を飲まないといけないなと思っていたところ、今では血圧は120台で薬が必要ない状態を続けれています。さらに肝機能も改善し、肩こりも改善し体も軽くなったので、体がなんとなくすっきりしない方は、トレーニングを試してみてもよいかもしれません。トレーニングって疲れるから、しんどいからと思われるかたが多いかもしれませんが、僕は、最近では、トレーニングしない方がだるくて、疲れやすくなるって実感しています。

ここで注意!

高血圧症の方で運動してよいのは血圧が160以下の方です。それ以上の方は、医師と相談してまずは内服管理などをしてからにしてください。当院では、心臓リハビリをしております。心臓に持病を抱えておられる方は、ぜひこちらをご利用ください。心拍モニター管理をしながら1時間きっちり運動をしていただきます。詳しくは当クリニック:増田整形心臓血管クリニックのホームページをご参照ください。

でも、運動するには「動けるカラダ」でないとダメですよね。次回は、「動けるカラダとは?」「歩くことは大事!!」を話させていただきます。では、また。

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