こむら返りって何?
こむらかえり(腓返り)は、「こむら(腓)」=ふくらはぎにある筋肉の痛みを伴う痙攣のことです。足が攣る(つる)とも言われます。本人の意思とは関係なく 突然、筋肉 が強く収縮を起こし、収縮が数秒から数分間持続し、強い痛みを感じます 。多くの方が、悩まれ、整形外科や内科を受診されています。今日は、ちょっと、その「こむらかえり」の仕組みを説明させていただきます。
まず、筋肉はどのようにして動くのか?
すごく簡単な質問ですが、筋肉が痙攣するってことの前に、まずは、筋肉がどうやって動くのかを理解しておく必要があります。細胞レベルでの難しい説明は抜きにして、筋肉は神経からの命令を受けて収縮(ちじんだり)と弛緩(のびたり)します。
筋肉の収縮・弛緩について
骨格についている筋肉は、それ自体で存在はせず、筋肉と骨をつなぐ腱(代表的なものがアキレス腱)と対をなしています。
筋肉の動きを統制している2つのセンサーがあります。1つは、筋肉の中にある「筋紡錘」というものです。
筋紡錘は、筋肉が急に伸びた際に伸びすぎないようにするために、脊髄に信号を送ります。そして、脊髄から筋肉へ伸びすぎないように信号が送られます。
もう1つは、筋肉と腱の境目にある「腱紡錘」別名「ゴルジ腱器官」というものです。
腱紡錘は、筋肉が伸びすぎないようにするだけでなく、縮みすぎないようにするセンサーです。つまり筋肉の急激な変化に対して腱が過度な変化をして痛まないようにするセンサーです。
筋肉が急に伸ばされると、腱紡錘は、脊髄神経に「伸びたよ~縮む信号出して~」と。また、急に縮むと「縮んだから伸ばして~」と。
これらのセンサーがうまく働くことで筋肉の急激な変化に対して筋肉や腱が痛まないようになります。
腓返りはなぜ起こる?
先ほどのセンサー、腱紡錘(ゴルジ腱器官)がうまく働かないと、筋肉が急に収縮した瞬間に脊髄神経から筋肉に対して「緩みなさい」という信号が送られなくなります。その結果、筋肉は縮みっぱなしとなり、痙攣が起こります。これが「腓返り」「攣る」という現象です。
ちょっとあまり効かない言葉が出ましたが、結局、腓返りは「腱紡錘」というセンサーの異常なんですね。ということは、ここに悪影響のある状態は腓返りになるということになります。
次回は、腓返りの原因となる病態について簡単に説明します。
では、また。