こむらかえりの原因って?
寒さが本格的になってきました。こんな時期のお風呂って最高ですよね。
でも、注意してください。
お風呂で温まったカラダが脱衣所で急に冷えることで、血圧が急激に上昇することがあります。
よく、脱衣所で倒れる人の中に、大動脈解離や脳卒中の方がおられます。なので、脱衣所と浴室との温度差をなるべくなくすように、脱衣所を何かしらの方法で温めておいてください。浴室で体をふくのもいいアイデアだと思います。長女はいつもそうしていますね。
では、今回は、前回に引き続き、「腓返り」の続きです。
前回「腓返り」のメカニズムについて説明しました。
その原因となるのが「筋肉や腱にあるセンサーの異常」でした。
筋肉とくに「ふくらはぎ」は
心臓から遠い⇒血流が不足しがち
歩くだけでなく、心臓へ血液を重力に逆らって押し上げる、ポンプの仕事もしている⇒めちゃ頑張っている⇒疲労しがち
以上のことから、健康な人でも、水分不足、筋力低下で「ふくらはぎ」に疲労物質がたまりやすくなり、その結果、センサーの異常が現れることがあります。
でも、頻回に腓返りが起こるという人は、なんらかの病気が隠れている可能性があります。
脊髄からの神経伝達の異常
糖尿病、腎臓病などの代謝の異常
甲状腺ホルモンの異常
血流の異常
脊髄からの神経伝達の異常
代表例が脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニアです。
脊髄神経が圧迫されることで坐骨神経などの神経伝達がうまくいかず、腱紡錘などのセンサーにうまく指令が届かないことが腓返りの原因となります。
糖尿病、腎臓病などの代謝の異常
これらの疾患は、神経伝達に欠かせない、ナトリウムやカリウム、マグネシウムなどの電解質の異常を来しやすいので、腓返りの原因となりえます。
甲状腺ホルモンの異常
甲状腺機能低下症や副甲状腺機能低下症は、低カルシウム血症になります。カルシウムが異常低値となると、神経筋が興奮しやすい状態になります。その結果、筋肉が異常収縮したりして腓返りとなります。
血流の異常
動脈硬化による動脈の血流異常があります。この場合、筋肉や組織は酸欠状態になり疲労が重なり腓返りの原因となります。
下肢静脈瘤などの静脈の異常があります。この場合、うまく心臓へ血液が返っていかないことになり、静脈側のうっ滞(血液の渋滞)が起こります。その結果、「血の巡り」「循環」が悪くなることで、疲労物質が溜まり腓返りとなります。
以上、「腓返り」の原因について説明させていただきました。もし、気になることなどあれば受診時に相談していただければ、患者様各々の場合について説明させていただきます。
最後までお読み下さりありがとうございました。
次回は、「こむらかえりになったらどうする?」について説明します。
では、また。