エアコンのサブスクで環境保護にも貢献するダイキンのビジネスモデルが凄い!
はじめに
7月に入って早々の酷暑日連発と、今夏の暑さも耐え難いものになりそうです。クーラー無くしてはリアルな意味で生きていけない!
そんな中、エアコン業界の雄、DX推進でも名を馳せるダイキン工業が、タンザニアで数年前から進めるエアコン導入推進策が面白いので、今回はこのテーマで書いて行きたいと思います。
タンザニアのエアコン事情
まずタンザニアでのエアコン事情について軽く説明します。
途上国であるタンザニアは気温の高さにもかかわらずエアコン普及率はわずか1%。そして、普及しているエアコンは安いけれど省エネ性能が低く、環境への悪影響のあるノンインバータエアコンです。
つまりわずかなシェアは劣悪な作りの安いエアコンに占拠されている状態です。
そんな状況に敢えて参入するダイキン工業は、ここで大胆な策に出ます。
エアコンのサブスク!
売り切りが普通のエアコン市場にサブスクで参入するという、予想外の作戦。ですが、そのメリットが実はとても沢山あるのです。
・買い手側は買い取りよりはるかに安い金額でエアコンが手に入る。消費電力もタンザニア国内で普及しているものの60%で済む!
・ダイキン工業のエアコンは既にタンザニア国内に普及しているエアコンより性能が高く壊れにくい。また、故障の際もダイキンが修理をしてくれる。(国内の修理業者は技術が未熟、時間にルーズな人が多く、修理道具は借りる業者が多いため、借りれないと修理に来ない!)
・性能が良く、壊れにくく、オマケに環境に優しいエアコンがタンザニア国内で普及する道筋が出来る。
素晴らしい!タンザニア国民のメリットが目白押しです。特に小規模店舗は、店にエアコンがあると売上に直結するとのことで、この辺りをターゲットに普及が伸びているようです。
ですが、ダイキン工業側のメリットは何が挙げられるでしょう?
ダイキン工業のメリット
ダイキン工業としては、投資額を回収する事自体は、売り切りよりも当然時間が掛かります。現に利益を出すまではまだ至っていない様子です。ですが、
・途上国支援企業として実績が積める
・ビジネスと社会貢献の両立モデルを新しく構築できる
・初期費用の壁を下げる事で市場にのニーズを取り込める
・サブスクで提供すれば、壊れた際勝手に廃棄されることがないため、冷媒を確実に回収出来る。
・高性能機器の普及と適切な管理によって環境保護にも寄与する。
これらの各メリットは、最終的にダイキン工業のグローバルな知名度(ダイキンのエアコンの性能アピール、途上国支援度アピール、環境保護活動アピール)を上げ、結果的には収益アップに繋がるでしょう。
まとめ
日本には元々、「八方良し」という、商売に関わる全ての人にメリットを、という考え方があります。目の前の利益だけを見て商売するのではなく、商いに関わる全ての人が幸せになるよう考える、という事です。今回のダイキン工業のエアコンサブスクで、その言葉を思い出しました。
収益化のタイミングをずらす。利益を出す事だけでなく環境保護やユーザーの幸せを考える。これを念頭に、ビジネスのあり方をもう一度考える必要があるのかもしれませんね。