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やり抜く勇気の育て方

やり抜く力を育てるために

 最近、学習指導要領がドンドン改変され、教育業界でも「新時代の教育のあり方」について頻繁に取り沙汰されてきています。その中でも最大の関心事は『非認知能力』という聞きなれない言葉です。要するに「勤勉性・協調性・思いやり・意欲・やり抜く力等々」と言った、数値化することのできない能力を『非認知能力』といい、その能力検査が現在の大学入試でも課され始めています。

 最近では保護者懇談会やセミナーで皆様に『非認知能力』のお話をしているのですが、すでに中高生の授業などで「非認知能力を高めるための授業」が実施され始めているというのに、ほとんどの保護者の方々が「先生それ何ですか?」とキョトンとした顔で尋ねられるのです。
そこで今回のコラムを通して少しでも多くの方に知っていただきたいと思いました。

 この『非認知能力』の中でも私が一番注目していることは「やり抜く力」なのですが、その「やり抜く力」について、ある書物にこんな話が書かれていました。

 「ハーバード大学に入る方が楽だ」と言われている『米国陸軍士官学校(別名:ウェストポイント)』への入学を許可される生徒は全米でも生え抜きのエリート達ですが、その訓練の厳しさに耐えられず5人に1人が中退してしまうと言うことです。ではどんな生徒が過酷な訓練を耐え抜けるかというと、高得点を取った才能ある生徒ではなく「絶対に諦めない」と決めていた生徒だということです。つまり追い詰められた環境で結果を出せる人とは「挫折の後にチャレンジを継続できる人」であり「決める力」のある人だ。ということでした。

やり抜く力の正体は…

 さて、それらの「やり抜く力」の正体は何か?それには実は「自分を認める力(自己肯定感)」が必要だと言われています。意欲や自己肯定感のありかについてはまた別の機会にご説明させていただくとして、それらを育てるために必要なことをシンプルに表現すると『親がしっかり褒める』『失敗した時も、共感して次は必ず達成できると励ます』ことが大切だと言われています。ところがそれが大変難しい。私もついつい子どもたちのできないところにばかり目がいってしまいます。

パズルや読書が自己肯定感を高める?

 現在さまざまな議論もありますが「やり抜く力(非認知能力)」を伸ばすにはシカゴ大学経済学部教授のジェームズ・ヘックマン氏(2000年ノーベル経済学賞受賞)の著書や論文などによると、やはり読書やパズルをする、またはピアノやスポーツにもチャレンジさせてみる。それもできるだけ就学前から始め、繰り返し続けることがいいと言われています。


 親子で読書の後、あらすじに絡めた感想を話し合ったりパズルをするなど、できることから始めてはいかがでしょうか。


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