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グッドバイ・バッドマガジンズをようやく観た
何せ自分が片足突っ込んでる業界の話なので、ああなるほどと分かる話が多く、一千万円横領とか、ああこういう抗い方もあったかとか、あの営業の人いい味出してるなとか、なんで社内でモザイク処理してんの?とかもありました。とは言え雑誌はDVDの付属品ってのはよく言われたものです。
ジューン・ラブジョイちゃんや真矢みつきちゃん登場は熱いなぁとか。
多分一番熱いのは、新人編集者の森詩織ちゃんが、ハル先生の不倫に傷つくシーンかな。彼女はこっちの側にいて、それでいて大した意味もない他人のセックスに傷つき、まさにこっちの側にいることでハル先生に傷ついちゃってごめんなさいと謝ることになる。この気持ちをどう森詩織ちゃんが噛み砕いたのか、あるいは他人のセックスに傷つく側の人のままエロ本の世界の人であり続けたのか、今一つ良く分からなかったのですよね。エロ本がバッドマガジンである所以、それは他人のセックスに傷つく人がいるからなんだから。
一方でエロが、辺境の老人にとっても(誰にでも?)切実に必要なものであるということが描かれている。この辺りはバッドマガジン問題が孕む矛盾で、誰にでも切実に必要なものはそもそも悪なのか?
こうしたことが全く整理つかぬまま、出口もないまま、虫の死骸を食ったみたいな後味だけが残る映画でした。