詠み人しらずの小唄だけ
色香よけれどその儚さに 匂い立つのは死の気配
やにわに落ち合う遊びのひとよ 行きて戻れぬ通りゃんせ
ひとに話せぬ愛を歩んで いつか地獄に辿り着く
スコアボードは白くきらめき きのえねの土と夏が舞う
逢わず千秋逢うても千里 心届かぬ影法師
好いたお人と行く果てならば 望むところよ地獄行き
俳句 小咄 きのうの夜伽 初めと終わりにきく枕
嵐にむらくも粋ではないか 別れる命をいま燃やす
下宿の電話じゃ言葉がないから お前のためだけ買うテレカ
夜にかがやき夜に消えゆく 蛍の生き死に見てるよう