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選挙権は権利?義務?

愛知県のリサイクルカンパニー
豊アルケミー株式会社 代表の桐山です。
地方で子育て・教育・地域に携わって生活している企業経営者です。


英語教室を主宰している妻から聞いた話です。
5名の中学生クラスで
「18歳になったら選挙に行く人?」
と質問したところ、
「行かない」
と言った生徒が2人いたそうです。
他の3人は
「行く」
という意思を示し、そのうちの一人は実際に生徒会の役員を経験しているそうです。
行かないといった生徒に理由を聞いたところ
「忙しい」
との返答。
たしかに若い子は忙しいかもしれません。
そこで
「オーストラリアでは90%を超えているんだよ」
と伝えたところ、行かないといった2人は
「Great!」
という反応。
行かないと言いながらも、心の内では、本当は投票に行った方が良いと思っているようです。

下の図を見てもらうと分かりますが、本当に若年層の投票率が著しく低くなっています。
シルバー民主主義と言われて、与党野党問わず高齢者優位の政策がとられています。
政治家が高齢者票集めに執心しているという批判も間違っていないと思いますが、そもそも絶対数が少ない若者の投票率が低ければ、その意見は反映されにくくなります。
高齢者やそれを支援する政治家を批判する前に、若年層は必ず投票に行くべきです。

総務省 https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/nendaibetu/

教室でのやり取りを妻から聞いて、思ったことがあります。
それは、日本の選挙は権利だから行かなくてもよいことになっているにかかわらず、生徒会の選挙は暗黙のうちに義務とされていることです。
生徒会選挙は日本の選挙制度とずれています。
もし生徒会選挙の制度を日本の実態に合わせて、自由にしてみたらどうでしょう?
投票を放棄すれば、あなたの考えは反映されません、ということが身をもって体験できるかもしれません。
歴史の授業で、先人たちが選挙権を頑張って獲得してきたことを学びますが、単にテスト用の知識としてしか扱われていないのが現実です。
授業の中でシミュレーションしてみたらいいと思います。
男子は選挙権あり、女子は選挙権なしとする。何か課題設定をして、その解決案に投票をしてみる。
また住んでいる地域(座席)で選挙権の有無を分けてみる。
いろんな選挙権の有無を区別(差別)するいろいろなパターンを設定し、選挙権が無いときにどういう思いになるのか?
こうしたことを考えないと、知識が単なる情報で終わってしまいます。
疑似体験することで選挙権の大切さが感じられるかもしれません。

ちなみにオーストラリアの投票率が高いのは投票は国民の義務とされているためです。
正当な理由なく投票しないと、20オーストラリアドルの罰金が科せられるそうです。
投票が義務化されている理由は下の動画をご覧ください。

投票の義務化がメリット、デメリットはあります。
多くの国では義務化はされていません。
有権者の意思に委ねられています。
しかし、いずれにしても、有権者が賢くないと、愚かな政治を生み出してしまいます。
何をもって賢いかというのも、また難しいものです。ひとそれぞれ意見が違いますからね。
民主主義とはつくづく面倒なシステムです。
だからこそ、子供の頃から選挙権の意味や価値を理解することが大切です。
今回の選挙では圧倒的多数の政党はありません。
そのため少数政党を取り込もうとする力が働くため、少数政党のパワーが増大します。
自分の一票では何も変わらない、というのは誤りです。
SNSの存在で各党首や候補者の主義主張が見えやすくなっていますし、一般人の意見も見えるため、流れが可視化されています。
流れを作るのが自分の一票なのです。
こうしたことを、授業や課外活動を通じて、実社会と連動させて学べるといいですね!

それでは!

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