唯夢論〜あるいは唯無〜
無知より有知へ覚醒 待てど
今は眠れや 唯夢の時間
哲学 屁理屈 紙一重
真理はそこに託された
緻密なカラクリからなる摂理
神の不在の証明不能
一元論やら多元論
全能 足り得ぬ万能に
対に立っては声をあらげて
ひしめき合っては つつき合う
その様こそが真意であると
いわんがごとくの物語
主人公 それはただひとり
唯我に宿りし その命
何をくべては火を燃やそうか
どんな色にて どの勢いで
神の求めるおもむきたれば
その吹く息にて消えるまで
我思うゆえの実体も
はるかな無形の一部となれば
その全貌は明かされて
確かな理解を得られるか
信じるならば祈りながら
でもまだ夢よ 覚めるなと
しびれた手足に寝ぞうをかえて
この目を眠気にゆだねて閉じる
されど 語れど うわ言 寝言
机上の天井どまりの空論
道に転がる無造作たるや
神の存在証明不能
既知より未知への刹那 過ぎれば
永久に眠れや 唯無と帰還