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映画感想「デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム」

 生まれて初めてドルビーアトモスをキメて来たけど正直良く分からん。聴き比べたわけでもないし、映画館通い慣れているわけでもないもんで。まあプラス100円ならこんなもんかって感じよ。

 ネガティブな書き始めに思われるかもしれんけど音は良かったし感動したよ。100円返せって言う気もない。しかしねえ、「デヴィッド・ボウイのドキュメンタリー? ボウイの軌跡を追体験? 超体験型ミュージックオデッセイ? こんなもん少しでも良い音で観なきゃ駄目だろ! ドルビーしかないよドルビー!!!」って感じで自分的クソ早起きして向かったわけよ。夜勤バイト翌日にさ。締め切りもあるっていうのに。

 何が言いたいかっていうとぶっちゃけクソ眠かった。何度も何度も「これドルビーこだわらず昼の部かレイトショーにした方が良かったんじゃね?」ってなったもん。こんなこと書いてるとさ、「ボウイの映画を観ているのに眠くなるだと!?」ってボウイ好きな方々は眉をおひそめになられるかもしれんけど、まあこんなん誰も読んでないだろうし別に良いよねって感じ。まあ読まれていたとしても別に何とも思わんのだけどさ。
 しかしね、これだけは言いたい伝えたい。これを書くためだけに長々とクソ眠かったっていう話から入ったんだ。

 それはね……。



「坊や、眠そうだね」

 これ!!! これよ!!! これなんよ!!! 上映中ボウイが何度も何度も何度も何度も俺に向かって「坊や、眠そうだね」って歌いかけてくれたんよ!!! 笑っちゃったもん一番最初に「Hallo Spaceboy」流れた時。しかもこの曲割りかし頻度多めで使われてたんよ。ちょい眠気ヤバくなるたびにボウイが「坊や、眠そうだね」って絶妙なタイミングで歌いかけてくるのクソ面白かったってか感動してたわ。ボウイの存在をほんとすぐそばに感じたね。だって眠気我慢してた俺のことをボウイ認識してんだもんよ。こんな楽しみ方できた奴全国で何人よ。少なくともマイノリティだと思うね。

 さて。肝心の映画の内容なんだけどさ。映画館で映画観る時の欠点なんだけど、一時停止とか巻き戻しとかできねえんだ。俺は大好きなもんに触れてる時、物心つく前のガキにまで退行してるからさ、つまり、頭の中空っぽだったわけ。正直、「ボウイってやっぱクソかっけえな」って感想が大半を占めてるってかそれが全て。つーかデヴィッド・ボウイだよ? かっけえ以外の感想持っちゃむしろ失礼でしょ。「地球に落ちて来た男」だって自分感想求められてもボウイクソかっけえしか言えんもんよ。ラストの儚さとかね、あれボウイじゃなきゃ無理だよあのシーン。やばかったもん……あの画面……あの絵面……ボウイ……カッコイイ……。

 とか言いつつ、かっこいい以外の感想ももちろんあるでよ。まずこの映画さ、ボウイの表現者、創作者の側面にフォーカス当てた映画だよねって言いたいんだけどここが既にちょいむずい。ボウイの人生ってもはやそれが創作物だし、映画の中でも本人がそう言ってたくらい、デヴィッド・ボウイって24時間365日上下左右どこ切り取っても表現者であり創作者なんよ。流石に自分の生活振り返って人生の完成度低いなって感じたら変えようとするほどだとは思ってなかったけど。いや、そのぐらいやる人だってのは分かってたんだけど、何ていうの、そこまではっきり人生を”創作物”として捉えているとは思ってなかったってこと。自分まだまだボウイの造詣浅いからさ。とりあえず関連書籍ブックオフで何冊か増やしたからまあ一年くらい待っててくれ。

 他何かあったかな。メモ取れないからさ。どうしてもね。しかも「坊や、眠そうだね」状態だったわけで。これ自分DVD買う予定あるからそん時何かしら追記しよう。

 あとはそうね、ケルアックとかバロウズとかさ、自分の大好きなビートジェネレーションをボウイも好きだっての知ってたんだけど、思ってた以上にボウイに食い込んでてボウイのこともっと好きになったわ。統失のお兄さんに「路上」を教えてもらったんだよね。それからボウイはサブカルに浸かってゆくんだ……。

 ボウイはお兄さんのこと大好きだからさ。ジョニー・フリン主演の「スターダスト」観てっから知ってる。「デヴィッド・ボウイの人生を変えた100冊」って本でも紹介されてる「引き裂かれた自己」って有名な統失についての本があるんだ。R・D・レインっていうロックな精神科医の著書何だけどさ。これ読んでる時のボウイの気持ち考えたら胸が詰まるよね。ちなみにレインは「結ぼれ」っていう詩集も出してるんだけどこっちも面白くておすすめ。

 自分も統失になるんじゃないかっていう恐怖と、そんなら自分が自分でなくなる前に、ちゃんと自分の意思でやりたいことやりまくってやろうっていうボウイの決意というか生き方というか信念が本当に好きなんだ。

 「同年代と比べて疲労とかないよ。夢中なんだ」ってニュアンスのセリフ話すシーンあったけどさ、あの時のボウイの表情好き。というかボウイの笑顔好きだわ。無邪気だよねボウイって。歳取ってからもってか、歳取ってより一層無邪気なんよボウイ。まさに「Changes」。
 つーか自分映画始まってからってか、映画館向かう途中からずっと「Changes」で締めてくれ締めてくれって祈ってたわ。「Changes」しかないでしょ。いやぁでもタイトルが「ムーンエイジ・デイドリーム」だからなぁ、どうかなぁってなってたからクソ嬉しかった。なんか構成があれなのかな、終わりかな? 終わりかな? って部分がちょいちょいあってそのたびに「Changes」に身構えてたわ。どうでも良いんだけどさ。いや良くねえわ。「Changes」ってもう歌詞がボウイの全てなんよ。映画でも言ってたけどさ、執着するのは良くないよね何でも。俺も頑張ろうって思ったよ。うん。変わり続けようって。甘んじることなく、満足することなくさ。うん。

「坊や、眠そうだね」

 ってことで寝る。いやあ、映画感想を書けてよかったわ。うん。映画感想書くとか言っときながら「道化死てるぜ!」の感想しか書いてなかったからさ。「映画好きな人じゃなくて「道化死てるぜ!」好きな人みたい」って人にも言われてたし。あれもどんなこと書いたっけ。だいぶ前で覚えてないや。何か変なテンションしてた気するけど。まあ「道化死てるぜ!」の感想を長々と書こうとした時点で変なテンション何だろうけど。どうかしてるぜ! ってね。蛇足終わり。

 そういやアナウンスの人デイヴィット・ボウイって言ってたな。まあクソほどどうでも良いけど。坊やは眠いんでもう寝ます。本当ならこれ昨日あげる予定だったんだけど、書いた時NOTEメンテしてたからさ。一日置いてみた。「坊や、眠そうだね」が本当にツボだったからさ。これ効果的にする為にはやっぱ夜じゃないとでしょって。本当に気に入ってるんだわこれ。もはやボウイと喋ったって言っても良いでしょ。あぁ、この映画ね、ナレーション全部ボウイなんだわ。ガチでボウイが語りかけてくる映画なんよ。ボウイ自身が俺たちに向かって話し続ける映画なわけで。絶対に心動かす言葉、曲が見つかると思うんで、創作者なら特に。ガチでおすすめ。


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