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コロナ禍のイタリア留学 《10》 隔離明けのフィレンツェ散歩とライバル出現
ライバル出現で猛勉強
ようやく14日間の隔離期間が明けた。
11月後半のフィレンツェは、寒い日もあるが思っていたほどではない。
アルノ川が近くを流れているため常に湿気があり、冬もそんなに寒くならないのだとか。
(雪もめったに降らないため、たまに降ると街がまったく機能しなくなるらしい…)
部屋の中はガス式の暖房でそこそこあたたかい。
よくヨーロッパで見る、白いじゃばら状の壁にくっついてるやつを皆さんも見たことがあるだろう。
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ガスで沸かしたお湯が壁を伝ってあの中に入り、その輻射熱で部屋を暖めるという仕組みになっている。
設定しておくと毎日決まった時間に動き出し、夜は止まる。
洗濯物をかけておくとすぐに乾き、おまけに加湿にもなるので、私はこれが大好きだった。
でも、やはり石造りのイタリアの家…
これだけでは足元が寒いので、ヒーターを買った。
スーパーで売ってるMADE IN CHINAの安いやつ。
案の定、一冬持たずに壊れてしまった…(-_-)
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モニカの授業は相変わらず楽しい。
オンラインなので板書はすべてZoomのホワイトボード上で繰り広げられる。
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文法の説明を聞いて、練習問題を当てられて順番に答えていく…その繰り返し。
日本で勉強してきた内容をちゃんと覚えられていたことがわかって嬉しかったし、新たな発見もあったりして、この時期の私はサクサク頭の中を整理して順調に基礎を固めていっていた。
クラスメイトには、事前学習も何もなくこの初級クラスに参加している生徒もけっこういて、みんな複雑な文法ルールを覚えるのにかなり苦労していた。
私も日本でイタリア語教室に通い始めた頃は、何が何だかわからなかった。
日本語が話せるイタリア人の先生だったのでなんとかなっていたが、しょっぱなから本国でイタリア人先生から学ぶなんて…
なんと無謀なことかと哀れに思っていた。
そんな中、1人とても優秀な生徒がいた。
その名はアシー。インド系イギリス人で、20代半ばぐらいだろうか。勤務医をしているらしい。
見た目は完全にインド人だが、さすがはイギリス人。礼儀正しく謙虚で穏やか。おっとりと育ちの良さがにじみ出ている。
そして医師なだけあって、頭が良い。彼も事前学習なしに参加しているであろう1人であったが、飲み込みがとても早かった。
実は私は、ひそかに彼をライバル視していた。
アシーは優等生らしくとても感じ良くふるまっているが、そこが鼻に着くところもあり、ちょいちょいインテリぶってる(ように私には見える)ところがある。
詳細は割愛するが、江戸っ子の私にはその辺がなんかいけ好かなくて、「ケッケッ!気取りやがって!」と内心思いながら、彼に負けてたまるかと勝手に闘争心を燃やしていた。
また、彼は授業内に、慣れないイタリア語でマイペースに自分の話をした。
後にクラスが変わってからもこういう生徒(やはり外国人は自己主張強め)はたくさんいたし、アウトプットにチャレンジするのは語学習得に欠かせないので、別に悪いことではない。
…が、オンラインの画面で彼が言葉を選びながらゆったり自分の話を繰り広げてるのを見てると、ちょっとイライラしてくる。
コロナ禍ということもあり、とくにワクチンが出回り始めてからはもう大人気者である。
そして先生はみんなおばちゃんなので、この若くてスマートなアシーに甘い。
別に彼が私よりレベルアップしようがしまいが、私の上達に関係ないのは重々承知の助である。
自分の負けず嫌いと心の狭さがこんなところで出てくるとは…、私もまだまだ若輩である。
そんなこんなで、ライバル・アシーの存在が功を奏したかはわからないが、こんなに勉強したのは受験以来というぐらいとにかく猛勉強した。
ノートもみっちり書き込んですぐに一冊終わり、電子辞書の電池も切れてしまった。
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替えの電池を持ってくることなどすっかり忘れていた!
現地で買えたけど、古い在庫なのか持ちがすごく悪かった…
しかもこれで€8ぐらいする。
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さて、イタリア滞在のためには滞在許可証(Permesso di Soggiorno)を取得する手続きが必要で、本来は到着後8日目までに済ませなくてはならない。
このときは到着後14日間の隔離期間が考慮されて遅れてもよいことになっていたが、隔離が明けたので早速学校へ行った。
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入り口。ドキドキ…
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素敵なロビー
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学校はドゥオモの真裏!
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何ともシュールなマスクが飾られたツリー
現在はすべてオンラインレッスンのため、受付スタッフ以外には誰もいない。
英語もイタリア語も話せないのでとまどったが、受付スタッフの人たちは丁寧に手続きを教えてくれた。
このあと郵便局へ行かなければならないが、ひとまず一番最初の面倒な手続きが無事済ませられてほっと一安心だった。
隔離期間終了後のお散歩
そして、やっと14日間の隔離期間が明けたのでお散歩も自由にできるように!
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サンタクローチェ広場。早朝に行くと、閑…散…!
このガラガラ状態を歩ける特権は、コロナ禍に行った恩恵だった。
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このきれいなファサードは改修されたもので、昔のオリジナルではないらしい 。
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脇にはダンテ像。
イタリア語のルールを作ったのは他でもない、彼。
なんであんなに細かくしたの?と、ちょっと恨めしい気持ちも込めて見つめてしまう…
2年前にフィレンツェを旅行したときに来た場所にも行ってみた。
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きれいな落ち葉。イチョウみたいだけど、日本ではあまり見かけない種類。
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ミケランジェロ広場へと続く散歩道。
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きれいな水辺。うっかり見とれてると蚊がいるので注意!
ミケランジェロ広場へと坂道をどんどん登っていく。
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さっきのサンタクローチェ教会、上から見るとこんな感じ。あのファサードはお菓子の家のクッキーみたいにペタッとくっついてた。
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クーポラがあんなに小さく見える。
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ミケランジェロ広場のダヴィデ像。
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そしてさらに登ると、サンミニアート教会。
私はこのSan Mniato al Monte(サンミニアートアルモンテ教会)が大好きで、フィレンツェの中でどこが一番好きかと聞かれたら思いつくのがここだ。(たぶんファンは多いと思う)
夕日のきれいな観光名所として有名なミケランジェロ広場から、さらに上に登ったところにあるかわいい教会で、1000年の歴史がある。
al Monte(アルモンテ=山の上)という名の通り小高い丘の上にあって、アパルタメントからは片道45分ぐらいのお散歩コースだ。
フィレンツェの中心地区は道がとっても狭く、建物もギッチリ。
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どこを見ても石・石・石!の街なので、日光浴したいときには広場やアルノ川の方まで出て来なければならない。
外出制限が多く運動不足になりがちだったこともあって、フィレンツェ滞在中はサンミニアートのお散歩に週3ぐらいで行っていた。
別に行って何をするわけでもないのだが、とにかく見晴らしがよくて気持ちよい。緑も多く、鳥たちがさえずってて、ほっとする。
そして、この教会の雰囲気がなんか良かった。でもこの頃はたしかまだ中に入れなかったような…
サンミニアートについてはまた別の回で詳しくお伝えしたい。
自由に出歩けるようになったので、テイクアウトも色々してみた。
ランプレドット(フィレンツェ名物のモツ煮込み)
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おいしいけど、けっこうずっしりくる。
その上、トウガラシを入れてもらったらすごい辛くてお腹を壊した…
こちらは生ハムとペコリーノチーズのパニーノ。
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チェントロにある人気店「Fratellini(フラテリーニ)」の。
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これはアランチーニ(お米のコロッケ)という、シチリアの伝統料理。
1個がすごい大きくてボリューミィ!
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イタリア留学が始まって1ケ月目は、こんな感じで過ぎていった。
勉強は大変だが充実しているし、コロナ禍ではあるけれど暮らしもかなり楽しめている。
しかし、このあと間もなくとても辛い時期がやって来ることを、
このときの私はまだ知らなかった…。
11へつづく
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