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コロナ禍のイタリア留学 《7》 スーパーでの買い物③
焦る、レジ
必要なものを一通りカゴに入れ、いよいよ難関のレジへやってきた。
言葉もわからないし、レジ係とのやり取りにドキドキしながら列に並ぶ。
日本との大きな違いは、レジの台がベルトコンベアー状になっていて商品を自分でカゴから出して乗せることだ。全部乗せたら、仕切り棒があるので次の人と混ざらないように置いておく。
そして前の会計が終わると、レジ係がベルトコンベアーを送り次の客の対応をするという流れだ。
前の客の様子を見ていた私は、バーコードが読み取られた後の商品の行方に驚いた。
それらはレジ係によって奥の広いスペースへポイポイ押し流されて行くのだが、ベルトコンベアーの最後が緩やかな下り坂になっていて、缶やペットボトルなどはゴロゴロと勢いよく転がっていくのだ。スイカでも買おうものならゴロンゴロンと転がった末、壁にぶつかる。
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これがけっこう雑で、容赦ない。商品はベルトコンベアーに乗った順番で淡々と流されるので、潰れやすいものも重いものも全部一緒くただ。
さらに、日本のようにレジの後に袋詰めできる作業台などはないので、ここで1人1人会計の都度行う。
これは、私が袋詰めを終えない限り次の会計が始められないことを意味する。
現地の客は焦る様子もなく淡々と袋詰めをするし、レジ係もとくに急かしてくる様子もなく当然のようにボーッと待っている。
しかし、他人に気を遣う日本人特有の集団行動に慣れすぎていた私は勝手にプレッシャーを感じていた。
滞在に慣れてきた頃には、合計金額が出る前から早々と袋詰めを始めて会計が終わったらササっと場所を開けられるようになっていた。
誰にも求められてないけれど、そうせずにはいられなかった。作業効率を気にしてしまうのは東アジア人であり江戸っ子である私の定めなのだろう。
ちなみにレジ係は、大体どこのスーパーでも座って仕事している。
また、私が滞在して見てきた範囲では大体のレジ係が無愛想であった。単調な作業が続くので無心になっているのかもしれないが、なんだかやっつけ仕事のようにも見えた。もちろん微笑みを浮かべている人や丁寧な人、常連客と世間話してる人もいたので、見かけほどに冷たいわけでないのはわかっている。
ただ、私は別にそれで不愉快とも思わなかった。そもそも日本のようにご丁寧なサービスの方が世界でも珍しいのだから、これが普通なのだ。
むしろ日本ももう少し不完全さを許容すればいいのにとさえ思った。
たまにある譲り合い、助け合い
前から不思議だなぁと思っていたのだが、日本人は集団意識が強いのに、(特に都会では)他人との距離はけっこう遠いように感じる。それに対して欧米は、個人主義が強いけれど、他人との壁はあまりないように感じる。主張が強いからこそ、自他の壁を簡単に乗り越えて来るのだろうか。
レジの列に並んでいるとき、たまに遭遇していたことが2つある。
1つは会計する商品の数が少ないとき、自分を先に行かせてくれというリクエストだ。最初はびっくりしたが、たしかにその気持ちもわかるので快く譲った。ただ、リクエストしてくる人が純粋なイタリア人ではなさそうなことが多かったので、本当のところは未だによくわからない。もしかしたらイタリア人はそこまでして早く会計を済ませたいとも思わないかもしれない。
もう1つは、会員カードを貸してくれと言われること。
スーパーによるが、会員カードを持っていると割引が入る商品がある。そこの会員カードを持っていない人が割引を受けるためにリクエストしてくるのだ。これは実は私にもメリットがあって、その分ポイントが貯まる。お互いwin-winというわけだ。
最初は「なんか新手の詐欺なんじゃ…」と怪しんで理由を何度も聞いてしまったが、詐欺じゃないとわかってからは普通に貸していた。
どちらの場合でも快く応じていたが、私が反対の立場を経験することはついになかった。
他人にそのリクエストをするハードルはけっこう高く感じるので、それなら少しぐらい待っても、割引が受けられなくてもよい、と思う日本人はおそらく多いだろう。
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環境にやさしいビニール袋
買い物するときは今やエコバッグが主流となっているが、イタリアでも近年レジ袋は有料化しているのでエコバッグ持参の人が多い。もちろん私も日本から持参したものを使っていた。
なのであまりビニール袋を使う機会はなかったのだが、その素材がなかなか良かったので記しておこうと思う。
イタリアのレジ袋や野菜を詰めるビニール袋は、日本のカサカサ音がするツルツルのと違って、もっとやわらかくテネテネふにゃふにゃしていて表面もサラサラだ。薄くて伸びるので重い物を入れるにはちょっと頼りないぐらいなのだが…
なんとこの素材は、土に返るらしい。(基本的にプラスチックは永遠に土に返らない)
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原料のことなど詳しくはわからないが、私の記憶が確かならもうけっこう前から欧米のビニール袋はこの素材だったと思う。日本ではなぜ未だにこの素材のビニールに切り替えないのか、ずっと疑問であった。
日本のは燃やすのが前提でダイオキシンが発生しないプラスチック素材を使っていると思うが、このテネテネビニールだって燃やしても害はむしろ日本のより少なそうな気がする。
でも日本がこのテネテネになったら、薄すぎるとか有料なのに品質が悪いとか、顧客からクレームが来るのもなんとなく予想できる。
例えばお菓子なんかも袋の中でさらに個装されていたり、過剰包装が当たり前の日本。環境より顧客優先という文化が未だにある。
イタリアはスローフード発祥の国だしやはりヨーロッパということでエコ精神はかなり進んでいる。これについては留学中いろんな場面で、やはり日本は遅れてるな〜と残念に思うことが多かった。
スーパーで買い物するだけでも、日本との違いがかなりあって思うところも色々であった。
次回は買ってきた食材についてレポします。
8へつづく
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