ネプチューンの洞窟
<イタリア旅行記(2009年夏・サルデーニャ島&ローマ)no.9>
アルゲロ(Alghero)から、さらに西に位置する
ポルト・コンテ自然国立公園内(Parco Naturale Regionale di Potro Conte)にある、カッチャ岬(Capo Caccia)。
ここに、太古の鍾乳洞があると知り、どうしても見ておきたかったんです。
その名も「ネプチューンの洞窟(Grotta di Nettuno)」。
15世紀に発見され、内部は高さ110メートル、全長2.5キロメートルに及ぶ、
地下宮殿のように幻想的な空間だそうで…。
とっても、楽しみ。
まずは、入口から、洞窟への階段を降りていきます。
かなり道のりは、長そう。
海が、美しい…、と思いながら、階段をひたすら下るのですが、もう既に、
下り始めて10分近く。
まだ、洞窟の入口は、見えません。
本当に、ここであってる?と疑ったのですが、前方にも、歩いている人がいます。
大丈夫、と、信じながら、進みます。
おおっ!だいぶ海面が近くなってきました。
ここ迄で、20分近くも、下っています。
いや~、よく降りてきたな…。
うん?っと、言うことは、帰りは、この階段を上がらなくてはいけないわけで…。
ブルブルブルッ…、怖い怖い…。
今は、考えないでおきましょう、恐ろしい…。
そして、やっと洞窟の入口に到着です。
「ネプチューンの洞窟(Grotta di Nettuno)」の入口
ライトアップされ、太陽の光と相まって、もう既に、幻想的な雰囲気です。
洞窟内の見学は、1時間ごとの時間制。
チケットを購入して、時間になったら、ガイドの方と一緒に、入っていきます。
この時は、30人位。
さあ、いよいよ入場です!
滑らないように足元を気を付けて、中へ進んでいくと、想像を超えた空間が広がっていました。
洞窟内
水面に映る、中央にいる見学者の影、分かりますか?
その影から、どれほど大きい空間であるかを想像できるかと思います。
まるで、宮崎アニメ「風の谷のナウシカ」の出てきそうな雰囲気…。
ガイドさんの説明を聞きながら、さらに奥に進みます。
前の写真のガイドさん&見学者の方々が立っていた場所を、上から見たところ。
冷んやりとした空気の中、音のない世界に、聞こえるのは、見学者の足音だけ。
音の振動で鍾乳石が傷むこともあるので、大きな音をたてたり、大きな笑い声等を出すのは、厳禁。
注意されますので、気をつけましょう。
3m近い長さに伸びた鍾乳石
鍾乳石は、1cm伸びるのに約100年かかるとか。
それを考えると、白亜紀・太古の時代からのものと言われても、納得です。
旅をすると、普段、接しない、こういう異空間に立つことができ、まだまだ自分の知らないことが一杯あるんだ、っと思わせてくれます。
それが、また私自身の視野を広げてくれて、モノの見方、考え方に刺激を与えてくれるんですよね。
素晴らしかったです。
幻想的な空間内で、太古の時代までタイムトリップ。
ふわふわっとした気持ちで、出口まで戻ってきたら、そこには、現実が待っていました。
洞窟の出入口は、海面すれすれ。
青い海、青い空は、相変わらず美しいんだけれども…。
そうでした…、忘れていました…。
見上げると、目に前には、意識が遠のくような、長い長い階段群が、
待っていました!
いざ!!
折角なら、楽しく登りましょうと、階段が全部で何段あるかを数えながら
スタート。
でも、いつの間にか、カウントしてたて事も、すっかり忘れて、
一歩、一歩、足を前に出しながら、黙々と、唯々、登るのみ…。
10分程、上った場所からの景色
ちょっと休んでいた時に撮った写真ですが、まだまだ続く、階段、そして階段…。
左側の階段に、先を行く人達もいますが、皆さま、休み休み、上っていきます。
上り始めて、30分程。
やっと、頂上(階段の出入口)に到着です!
ネプチューンの洞窟(Grotta di Nettuno)の出入口
この日の気温は、35℃。
皆さま、ヘトヘト…。
暑くて、上着を脱いでしゃがみこんでいる方も、いらっしゃいました。
やっぱり、素晴らしい洞窟を見るには、簡単ではなくて、こういう苦労も必要なのね~っと、思っていたのですが…。
後日、アルゲロ(Alghero)の街から、この洞窟入口まで、観光船が出ていることを知って…あらら…?。
良い思い出になりましたが、体力に自信のない方は、そして、船が大丈夫な方は、観光船で行かれることをお勧めします。
きっと、海からのアクセスも、素晴らしいと思いますよ。