見出し画像

イタリア大好き (11) 愛すべき郷土料理の数々

古代ローマ時代から造られていた発酵調味料ガルム(Garmu)。
魚の内臓を塩漬けした後、発酵させたもの(魚醤:ぎょしょう)で、ほとんどの料理に使われていたとか。
ローマ帝国滅亡と共に、ガルムも造られなくなり、一旦、消滅しましたが、
中世の時代に、修道士たちが、アマルフィ海岸の街・チェターラ(Cetara)に、造り方を伝えたそうです。

現在、チェターラ名産の調味料となり、スローフード認定も受けていますが、
チェターラがあるカンパーニャ州(Campania)以外では、ほどんと使われていません。

コラトゥーラ・イワシの魚醤
(Colatura di alici)

このイワシの魚醤が、美味しいのです。
茹でたパスタに、ちょこっと振るだけで、素晴らしい一品に。
初めて、現地・チェターラで食べた時の感動は、今でも忘れる事が出来ません。

コラトゥーラのパスタ(アマルフィ海岸チェターラにて)  
( Pasta alla colatura )

古代ローマ時代から、このような発酵調味料が造られていた事に驚き、改めて、イタリア料理の奥深さに魅了されました。

*****************

イタリアのコラトゥーラの美味しさを知り、私も、「魚醤」を、よく使うようになりました。
「魚醤」の代表格といえば、タイの「ナンプラー」、ベトナムの「ニョクナム」でしょうか。
日本でも、各地で「魚醤」があり、兵庫の明石では、いかなごの魚醤が造られています。

魚醤「いかなご醤油」

地元の特産物でありながら、それまで、ほとんど使っていませんでした。
「魚醤」の美味しさに目覚め、私自身の料理の幅を広げる事ができた「コラトゥーラ」には、本当に感謝しています。

******************


いいなと思ったら応援しよう!

食の工房オフィスアルベロ【イタリア料理教室 in 神戸】
お読み頂き、ありがとうございます。 サポート頂ければ、心強いです。