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イタリア郷土料理のお話・プーリア州(Puglia) ~地理編~
今回は、南イタリアへ。
長靴形をしたイタリア半島の、かかとの部分に位置するプーリア州を見ていきます。
かなりボリュームのある内容となったので、2回に分けて、お伝えします。
初回は「地理編」です。
「料理編」は、こちらから、ご覧頂けます。
1)プーリア州(Puglia)について
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「イタリア地方料理の探求(柴田書店)」より、引用
州都:バーリ(Bari)
南北に400㎞以上の細長い州は、アドリア海、イオニア海に面し
ギリシャに一番近い州です。
州内の港町ブリンディシからは、ギリシャに向けて、船も出ています。
なだらかな地形と温暖な地中海気候が、
元々湿地帯だった土地を、イタリア屈指の農耕地帯として開拓。
降水量が少ないので、灌漑用水路が整備、発達したのも特徴のひとつです。
港町もあり、商業地としても繁栄。
オスマントルコ等のオリエントの影響も受け、
それらの遺跡、美術(バロック様式)等、文化の混在なども
感じることができる地域です。
2)州都:バーリについて
プーリア州を旅する時の玄関口でもあるバーリ(Bari)の歴史は古く、
元々、ギリシャの植民地でした。
紀元前3世紀にローマの支配下に入り、帝政時代に「自治都市」となりました。
その時、整備の中心となったのが、海に面している岬周辺で、狭い路地が入りくみ、典型的な古い街並みのある地区が、現・旧市街です。
その後、様々な民族、国によって統治されましたが、11世紀以降のノルマン時代に、ロマネスク様式の聖堂が造られ、聖ニコラ信仰の中心地として、
また、十字軍遠征の寄港地、エルサレム巡礼の基地として、栄えていきました。
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(Cattedrale )
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(Basilica San Nicola)
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(Lungomare Imperatore Augusto)
一方、ヴィットリオ・エマヌエーレⅡ大通りから南、鉄道バーリ駅までに広がる
新市街は、碁盤の目状に整備され、バーリ大学もあり、お洒落な店が立ち並んでいるので、買い物等を楽しむことが出来ます。
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(Stazione di Bari Centrale)
治安は、それほど悪くはないのですが、東洋人を見ると、近寄ってきて、
ちょっかいを出してくる方もいらっしゃったので、注意するに越したことはないですね。
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3)その他の地域
バーリ以外にも、訪れたい地域があります。
特に、長靴のヒール部分「サレント半島(Salento)」は、透明度の高い
青く輝く美しい海に囲まれていて、訪れる人達の心を虜にします。
バロックが溢れる古都・レッチェ(Lecce)。
「蜂蜜色」と言われるレッチェ石で造られているバロック建築の街並みは、
統一感があり、とても美しく、エレガントです。
ゆっくりバロック彫刻を楽しみたい方は、是非、訪れてほしい街です。
治安も良く、夜、街を歩いていても、怖いイメージはなく、
私は、ここレッチェを拠点にして、プーリア州を巡りました。
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(Anfiteatro romano)
プーリアの石灰岩地層から造る「セメント状の石灰乳」。
これらを壁に塗った「白亜の街」と呼ばれている場所があります。
世界遺産登録されている、とんがり屋根の家・トルッリ (Trulli)が立ち並ぶ
アルベロベッロ(Alberobello)も、そのひとつ。
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(Alberobello)
他に、ロコロトンド(Locorotondo)、オストゥーニ(Ostuni)も白亜の街として、親しまれています。
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(Cattedrale di Santa Maria Assunta in Cielo)
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(オストゥーニの街から臨む)
アドリア海の美しさを、より堪能できる街も、魅力的です。
夏のリゾート地として賑わうポリニャーノ・ア・マーレ(Polignano a Mare)。
ジプシー・キングスが歌う「ヴォラーレ(Volare )」の作曲家ドメニコ・モドゥーニョ氏の生誕地でもあります。
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(Lama Monachile a Polignano a Mare)
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ブリンディシ(Brindisi)は、ローマから伸びる「アッピア街道の終着地」。
当時は、バーリよりも栄えた寄港地で、その史跡を感じることができます。
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(Colomme Romane al Via Appia / Brindisi)
さらに、アドリア海岸線を南下しましょう。
プーリア州の最東端に位置するオートラント(Otranto)。
サレント半島なかでも屈指の美しい村と言われ、澄んだクリアブルーの海は、
訪れる人々の心を掴んで離しません。
オートラント大聖堂(11世紀建立)には、床に描かれたものとしてはヨーロッパ最大( 約700㎡ )、南イタリアで残存する唯一の宗教をテーマとしたモザイク画があり、壮大な聖書物語が刻まれています。
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海岸沿いをぐるりと回り、西側のターラント湾内へ。
ちょうど靴底、土踏まずの辺りにあるのが、軍港都市・ターラント(Taranto)です。
古代ギリシャ植民地(紀元前8世紀頃)を起源とし、当時から、地中海の寄港地、そして、軍港地としても栄えました。
歴史的地区では、古代ギリシャ時代の遺跡や、美しいバロック様式の大聖堂を、見ることができます。
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(Castello Aragonese, Mare Grande )
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(Resti del tempio dorico)
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(Cattedrale di San Cataldo / La cappella al stile barocco)
北上しましょう。
真っ白なフレッシュチーズ・ブッラータ(Burrata)の産地として有名な
アンドリア(Andria)。
その郊外の小高い丘に、ぽつんと佇む中世の城が、世界遺産登録されている
カステル・デル・モンテ(Castel del monte)です。
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(Castel del monte)
13世紀、神聖ローマ皇帝フリードリッヒ2世によって建築。
建物全体が八角形になっていて、その角には、それぞれ八角形の塔が立ち、
壁でつながっています。
当時、何のために建てられたのかは不明で、謎多き建築物です。
長靴形のアキレス腱付近に飛び出ているガルガーノ半島(Promontorio del Gargano)は、国立公園を有し、プーリアの大自然を満喫できます。
また、ヴィエステ(Vieste)、ペスキチ(Peschici)等、可愛らしい海辺の街や、古い町並みを楽しむことができます。
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(Promontorio del Gargano)
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(Vieste)
ここまで来たら、「アドリア海の真珠」と呼ばれるトレミティ諸島(Isole Tremiti)にも、足を延ばしてほしいです。
私は、イタリアの美しい海を、いくつも見てきましたが、このトレミティ諸島の海は、圧巻!
本当に素晴らしくて、只々、その美しさに酔いしれてしまいました。
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(San Nicola nei Isole Tremiti))
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(Santa Maria)
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☆おまけ
イタリア各地で造られている陶器類。
それぞれ、伝統的な色彩、デザイン等があります。
プーリア州の陶器の街・グロッターリエ(Grottaglie)の工房で、絵付け作業を見学した時に、この地方伝統的な色は、青と赤、そして、シンボルの、この鳥絵が、よく描かれると教えて頂きました。
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(Un simbolo dipinto "Uccellino" al laboratorio di ceramica di Grottaglie)
![](https://assets.st-note.com/img/1684992191665-esKriWT3lJ.jpg?width=1200)
(Le tazzine che ho acquistato a Grottaglie)
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いかがでしたか?
まずは、プーリア州の地理的な部分をまとめさせて頂きました。
本題、プーリア郷土料理については、下記で、まとめています。
是非、こちらもご覧下さい。
その他の、プーリア州滞在記は、下記から、ご覧頂けます。
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マガジン「オフィスアルベロ・レシピ集~neo~」からも、イタリア料理を楽しんで頂けます。
是非、ご覧ください。
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最後に
~これまでの「イタリア郷土料理のお話」~
☆ヴァッレ・ダオスタ州
☆ピエモンテ州
☆ヴェネト州
☆リグーリア州
☆フリウリ=ヴェネツィア・ジューリア州
☆ウンブリア州
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![食の工房オフィスアルベロ【イタリア料理教室 in 神戸】](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/8999404/profile_0775c4221b11b45db0d3b3e11e24bd56.jpg?width=600&crop=1:1,smart)