秋尽くしの、至福の京懐石
秋の京都で、京懐石を頂いてきました。
ひとつひとつ、丁寧に仕事をされて作られたものばかりで、
味わいはもちろん、秋の器に盛り付けられ、目にも美しいお料理は、どれも秀逸。
全10品を、是非、お楽しみください。
銀杏豆腐(Tofu` di Ginkgo )
驚きの一品からスタート。
口の中に広がって、鼻に抜けていく銀杏の香りと、なめらかな舌触り。
そして、後味に、ほんの少しのほろ苦さが美味。
秋の味わいへ、一気に引き込まれました。
蟹寿司(Sushi di granchio)
黒酢を使ったすし飯に、たらば蟹の身と打ち粉がのっています。
染付の、双耳向付の器と、添えられた小さな漆の匙。
色のコントラストにも、目がいきますね。
ひと口、ひと口、味わいながら頂きました。
秋の八寸 ~ 吹き寄せ ~ (Hassun d'autunno ~ Fukiyose ~)
吹き寄せ…。
「吹けば飛んでしまいそうな秋の景色、落ち葉の様子を表現するように、
秋の食材を、ひとつひとつ重ねていくんですよ。」と、大将。
カウンターで、お食事をすると、こんなお話を聞けたりするのも嬉しいですよね。
確かに、紅葉の器に、落ち葉が重なるように盛り付けられていて。
写真では隠れていますが、一番下には、蒸した落花生も‟落ちて”いました。
秋鰹(Bonito d'autunno)
戻り鰹を呼ばれる「秋鰹」。
しっかり脂がのっていて、辛子醤油で頂くのが、また美味しい…。
シンプルな盛り付けですが、鰹の身が光によって、ピカピカ光って、思わず見入ってしまいます。
まさに、食材の美しさ…でしょうか。
お造り3種 ~炙り鯛、はまち、イカの刺し作り~
(Tre Otukuri ~Orata ,seriola e calamari)
軽く炙られた鯛は、香ばしさがあり、はまちは、しっかり脂がのってます。
そして、職人のお仕事のひとつ、イカに細かく包丁を入れていく刺し作り。
イカが口の中で、とろっと溶けていくんですよね。
立派な松茸(Fungo Matsutake)
ここ数か月の天候の影響で、今年は、松茸にも、影響が出ているそうです。
それでも、立派!
カウンターに置いてもらっても、ふわ~っと香りが立って…。
秋ですね。
お鍋 ~クエ&松茸&豆腐~ (Nabe ~Kue、Matsutake e Tohfu`)
熱々のお鍋で、脂と旨みたっぷりのクエ、松茸、お豆腐を頂きます。
最後に、御汁にも、ちょこっとポン酢を入れて。
秋の香り豊かで、身体も温まる一品です。
鰆の餡かけ (Ankake di Sgombro )
揚げた鰆を、菊や白菜の彩り綺麗な餡かけで頂きました。
こちらも、ほっこり…。
鰆は、実は、今からが美味しいお魚。
西京焼きに、餡かけ…、お家でも、食べたい食材のひとつですね。
伝助穴子の酢の物 (Grongo Densuke con aceto)
こちらも、立派な伝助穴子。
香ばしく焼いて、酢の物として仕上げてます。
やっぱり、伝助穴子、美味しいです。
かやくご飯、かぼちゃの味噌汁、香の物
(Riso cotto con cibi autunnali , Zuppa di miso con zucca e Sottaceti)
最後も、秋の食材満載。
かやくご飯は、「加薬」と書きます。
関東では、五目(ごもく)御飯と呼ばれていることもあるそうですね。
ごぼう、人参、こんにゃく、油揚げ…、食材を入れて炊き込んだもの。
これは、お家でも作れるかも…と、食材の下処理を伺うと、それぞれ、本当に細かい作業をされていて…。
う~ん、やはり、お家で再現は、難しいかもです。
水菓子 ~ 柿&メロン ~ ( Frutta ~ Kaki & melone ~)
とっても立派な柿は、愛媛県産・福嘉来(ふくがき)。
両手に、すっぽりと収まるほどの大きさですが、甘みもたっぷり。
シャクシャクとした食感も、私好み。
美味しかったです。
じわじわ染み込む、この美味しさと、おもてなし…。
本当に、いつも、日本料理の技、素晴らしさに心を動かされて。
今秋も、至福のひと時を過ごさせて頂きました。