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酒器の作り手シリーズ①産地編

【2024年6月30日改定】

こんにちは!
 酒器研究家の知鳥(ちどり)です。

今回は、酒器の中でも流通量が一番多い
 陶磁器(=やきもの)
その作り手についての解説シリーズその①となります。

現在(令和の時代)、やきものの酒器は・・・
 誰により、
 どこで、

  つくられているのでしょうか?

記事を何回かにわけて、お話していきたいと思います。

1.誰が?

はじめに・・誰により?
 ・・についてですが、

分類すると、ざっくりと大きく3つ・・
 以下のようになります。

 1)陶芸作家(一個人)

 2)窯元(家族経営的)

 3)メーカー(窯元よりも大規模・会社経営・工場生産) 

次に、3種それぞれの作り手が、
 具体的にどこで(場所)酒器をつくっているのか、みていきます。

2.どこで?


酒器がつくられているところについては、
 分類すると、大きく2つ・・
 A, 国内
 B. それ以外(海外)

さらにざっくりと、以下のように分類できます。

A.国産モノ

 1)陶芸家(一個人)や陶芸作家(アーティスト)については、次に述べる陶芸産地以外にも、全国各地に独自に窯を持ち、独立して作陶

 2)陶芸家を含め、窯元(家族経営的)や 3)メーカー(窯元よりも大規模・会社経営・工場生産)は、各地、陶芸産地(主要なところは、以下にリストアップ)を中心に存在 

B.海外産モノ

 1)歴史的に国宝クラスの、中国・朝鮮(現在の韓国を含む朝鮮半島産)の茶器の流れをくむモノ

 2)世界各地の陶芸産地で作られる酒器

 3)雑貨店や100円ショップ等で見かける、比較的安価な(主として中国製)酒器


今回は、ちょっとしたこだわりの酒器・・を念頭に、
国内の現存するやきもの産地を、
  次に述べる基準に沿って、羅列してみました。

3.酒器の産地の条件

酒器産地・・ 
 ・・・というからには、それなりの理由がありまして、
はじめに、背景を説明します。

酒器の歴史とも関係してきますが、
 耳にするのが、

  ぐい吞みは、茶道の茶器/茶碗のミニサイズ・・

酒器に比べ、
 茶道に使う目的で作られる茶器(茶碗)については、
  歴史的に・・・
長い年月、茶道という「道」の中で培われてきました。
それに従い・・
 名碗を作りだしてきた、歴史ある陶磁器の産地では、
  歴史的に、独自の素材や作風等がそのまま
現代の酒器づくりにも引き継がれているところが多くみうけられます。
 作り手さんも、茶碗づくりの気持ちや技術を酒器づくりに・・
  ・・という思いで、作陶される陶芸家・窯元も多く存在しています。

茶道に使う目的で作られる茶器/茶碗は、
 名碗ともなると、
   美術館でも収蔵・展示され、
また、
 名碗の見かた・見極め方といった類の本が
  多く出版されています。

ここでは、茶碗についてを語ることは趣旨ではなく
 私は茶道については門外漢であるため、深入りしませんが・・・
しかし!!
 酒器を語る上で、押さえておきたいポイントとしては、
 はずすことができず・・
背景としてここでお伝えしておきたいと思いました。

この背景を踏まえ・・・

ここで掲げる酒器の産地については、以下の基準で選びました。
  (が・・今後、追加の可能性もあります・・)
     前置きがかなり長すぎ・・・。(汗)・・・

 1)歴史的に、茶道の茶碗づくりの影響を受け酒器が作られているところ

 2)歴史的な陶芸産地(茶器の産地云々に関わらず)または、
    陶磁器の産出量が多い場所で、
     酒器もおのずと多く産出されているところ

 3)日本酒他、酒の産地であり、
    独自の酒器やこだわりの酒器がつくられているところ

 4)上記1~3の組み合わせ(厳密に線引きできないため)

これら基準にプラスして・・

 5)酒器が産地で入手可能なところ
 場所については、一般的に、雑誌や書籍などで産地が訪れたい場所として紹介されているところや・・
 私個人が実際直接、産地を訪れ、おすすめできる場所だったりです。

4.こだわり酒器の産地(国内)


酒器は各陶芸産地で作られ、販売されてはおりますが・・
 上述した条件 x この目線・・

こだわりの酒器・・
魅力的な酒器・・
特色ある・オリジナル・ユニークな酒器が見つかる・・
この酒器でのんでみたいと思うような・・
   酒器をコレクション・収集してみたいと思う方向け・・
そんな目線で
主要な陶磁器産地をリストアップしてみました。

【北から南への順になります。】

1. 益子焼(栃木県)
2. 笠間焼(茨城県)
3. 九谷焼(石川県)
4. 越前焼(福井県)
5 美濃焼(岐阜県)
6. 瀬戸焼(愛知県)
7. 伊賀焼(三重県)
8. 信楽焼(滋賀県)
9. 京焼(京都府)
10, 丹波焼(兵庫県)
11, 備前焼(岡山県)
12, 萩焼(山口県)
13, 唐津焼(佐賀県)
14, 伊万里焼(佐賀県)
15, 壺屋焼・やちむん焼(沖縄県)
   以上

街中のギャラリーや器ショップで
酒器を選ぶ際、どこで、どのように作られたか、
ある程度知識があると・・・

お酒を飲むとき、同じ産地の日本酒x酒器で・・?
などなど、ちょっとした楽しみが増えるかもしれません。

そして実際、陶磁器産地を訪ねれば、
いい酒器・・いい酒器作家さんに
きっと出会えます!

この先、当シリーズでは、
リストアップした各陶芸産地について
深堀して、特色などみていきますので、お楽しみに!

さいごに・・・
少々言い訳的になってしまいますが・・
  産地紹介については、
  私の酒器に対する好みやこだわりが入ってしまっているかもしれません。できる限り第三者目線・客観的に書くことを心がけますが・・
  主観が入る際は、その旨、明記しますので、何とぞお許しの程を!

そして・・
酒器産地のリスト・・漏れてしまっている場所もあるやもしれません。
その場合は是非、コメント等、お寄せいただけたら助かります。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

~Written by CHIDORI ©2024~
   無断複写厳禁

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