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3月2日 東北CXシリーズ#5福島空港ラウンド【ME1】レースレポート

はじめに

2024-2025シーズンもこの1戦で終了となる。思い返せば色々なことがあったシーズンだった。

全日本を獲るために毎年取り組んできたが、例年通りの取り組みでは駄目だと考え、ライバルから劣っているスキルを実戦形式で高めることにした。その際に必要となる遠征費用は30万円弱と試算。1馬力の我が家で捻出するのは厳しく、クラウドファンディングにより多くの方からご支援を頂き、計画実行の目途が付いた。

9月の早い時期からCXレースに参戦し、一発でE1へ昇格。JCX初戦の土浦CXでは、現チャンピオンの村田選手に1秒差の僅差で2位。目標に向かって順調に歩みを進めることができていた。

しかし、10月末の亘理CXで、肋骨2本骨折、肺挫傷・気胸の大怪我を追ってしまい、病床で目標を諦めた。だが、多くの方々から温かい応援やコメントを頂き、できることからリハビリに着手。復帰戦となったJCX松伏CXでは、肋骨の痛みを抱えながらもまさかの優勝。可能性は、ゼロじゃないと感じた。

そうして迎えた全日本選手権。万全ではない選手が勝てるほど甘くは無かった。6位に入るのが精一杯だった。優勝は村田選手。50秒差という数字以上に大きな差を感じた。

来年の全日本選手権の会場は、宇都宮から大阪の二色浜へ。苦手とする砂セクションを克服するために、二色浜CX、大洗CX、東京CXに参戦。克服すべき課題が多いことを痛感する遠征となった。

そして、今シーズンのラストレースに選んだのは、東北シクロクロス福島空港ラウンド。6年前、M2からM1に昇格したのもこの東北シクロクロス福島空港。I came back to TOHOKU CX!

夢をみて、希望をもち、谷底に叩き落され、再起を誓い、もがき続けた濃厚なシーズンだった。忘れられないシーズンにもなった。困難な状況でも、頑張ってこれたのは、応援、サポートしてくださった皆さまのおかげです。本当にありがとうございました。

気持ちが溢れてしまい、前置きが長くなってしまったが、今シーズン最終戦に選んだ東北シクロクロス福島空港ラウンドのレースレポートをどうぞ。

機材

---BIKE---
バイク:TCX Pro1
ホイール:手組ホイール(チューブラー)
タイヤ:Challenge GRIFO(F:1.3bar、R:1.3bar)
ギア: フロントROTOR-QRings46-36 リア11-34
チェーンオイル:EXLUB

タイヤの空気圧は、地面の細かい凹凸が多いことや、名物のキャンバーでグリップを確保するため、試走で確認の上で低めに設定した。

今シーズンは、左レバーの油圧ブレーキの不具合(エア噛み)に悩まされることが多く、レバーを交換したり、レバーに接続する部品を交換したりした。一時的に改善はするのだが、完全に良くなることがなく、東京CXで怪しい雰囲気があったが、その後外乗り機会がなく、大丈夫だろうと考えてそのままにしていたら、今回も何度かレバーを揉まないとブレーキが効かないという状況で走る羽目となり、自分の整備不良を猛省した。

---WEAR---
ヘルメット:KASK Protone
ジャージ:オンヨネ チームワンピース
アイウェア:KOO DEMOS(調光レンズ フォトクロミックピンク)

アイウェアは、KOO DEMOSを初投入。レンズは、地面の凹凸の認識しやすいピンク系で、さらに当日の日差しの状況に合わせて透過率の変化する調光仕様。思っていた通り、レース中はストレスなく路面を視認でき、今後のロードでも定番アイテムとなりそうだ。

コース

東北シクロクロスのコースは、ワールドカップのようなダイナミックなコース設定が特徴。本レースでも、一瞬の判断が滑落に繋がるキャンバーセクション(KUNII CAMBER)や、パワーがあるものだけが乗車を許される直登(忍者返し)が設定された。難しいだけでなく、しっかりと踏み切れる平坦もある。フィジカルとスキルの両方が求められる、とても走りがいのあるコースだ。

目標

・シングルリザルト
・とにかく大きな怪我をしないこと

全日本選手権以降、外で練習できたのは1回だけ、ローラーでもシクロクロス対策の高強度トレーニングはゼロ、という状況。
だが、今シーズンは過去最多の9レースに参戦し、その取り組みが無駄ではなかったならば、相応のリザルトは獲れるはずだしそれをシーズンの締めくくりとして証明したい。そうした想いから、目標をシングルリザルトに設定した。

加えてとっても大事なことは、いま怪我をしてしまうと、来週の八海山スカイスノーだけでなく、ロードシーズンにも影響しかねない。大きな怪我だけはしないと決意。

今日の課題や狙い

シーズン最終レースなので、難しいことは考えずにレース自体を楽しむ。

コンディション

体重:57.6kg(朝、風呂上りに計測)
CTL: 113
TSB: +2
糖質摂取量:前日470g、当日230g(宿の朝食で大盛ご飯2杯+ジェル2つ)

外泊だとあまり熟睡できないことが多いが、今回は比較的良く寝られた。だが、自分と長男に挟まれて寝ていた女子3人は、我々のいびきにより長い夜を過ごしたと、被害届が出された。すいません・・・

レース

出走者は30名ほどで、スタートグリッドは最後尾。

今日はシーズンラストレースなので、序盤から積極的に行こうと決めていた。クリートキャッチは成功し、加速していくが、そこはE1カテゴリー。そうやすやすとは前には出られない。

Kuniiキャンバーが渋滞するのが目に見えているので、そこまでの平坦区間で少しでも順位を上げておきたい。隙があれば脚を使って、1人ずつパスしていく。途中、自分の後輪にダイナミックにハスった選手がいたが、何事もなく巡航継続。CXerはバランス感覚が良い。

@Katsumi Ishikawa

10~15番手ぐらいまで順位を上げてKuniiキャンバーに突入。やっぱりカオス・・・。そんな中、マサミチ師匠はすぐに降車して、ススス~と前に行ってしまった。判断が早くスマートだ。乗車か降車か、その判断はこうした経験の積み重ねがものをいう。

それにしてもここのセクション、声援がすごい!
難しいセクションでは、全くもって格好いい走りはできないけど、それでも声援が背中を押してくれる。

続くミニキャンバーをこなし、忍者返しに立ち向かう。練習では乗車でクリアできたので、果敢にチャレンジ。だが、息の上がった本番は練習とは違う。見事に失速して転倒。数人にパスされる。

@Katsumi Ishikawa

この後の平坦~シケイン~登りで1~2人抜いて、15番手で1周目を完了。

@Katsumi Ishikawa

前はまだ数珠繋ぎなので、まだまだ順位を上げられるチャンスがある。ストロングポイントのフィジカルを活かして隙あらば前の選手をパス。
キャンバーは1周目より密度が下がりつつも、前方で落車があったり滑落があったり・・・自分は短い脚を山側に出して一生懸命にケンケンしていく。

@Katsumi Ishikawa
@Katsumi Ishikawa

忍者返しは再びチャレンジ。だが、失敗して転倒。今後の成功は望めなそうなので、以降は降車することに決めた。
平地、登りでまた1~2人を抜いて、10番手で2周目を完了。

@Katsumi Ishikawa

この後は6~7人のパックとなり順位が変動。だいぶシクロクロスの感覚にも慣れてきて、9番手で4周目を完了するも、次の周回でチェーンが外れて大きく順位を落とし、12番手で5周目を完了。

後半戦に入ると、パックから抜け出せるタイミングが増えていく。周りの選手が消耗してきているようだった。自分はまだまだ踏める感覚があり、今日が最終レースだと鼓舞し、平坦や登りは妥協なく踏んでいく。

@Katsumi Ishikawa

Team CHAINRINGのサイトウ選手と抜きつ抜かれつの展開が続き、7周目を少しギャップを広げて通過。順位は8番手まで上げた。

残りは2周。まだフィジカルは大丈夫。前には結構距離が空いているが2人の選手が確認できる。最後まで何が起きるか分からないのがシクロクロス。それを信じて踏み続け、シケインはケンケンと慎重さで、忍者返しは降車で走った。

@Katsumi Ishikawa

ゴール前の直登は、応援に背中を押してもらって500w以上でクリア。前の選手に追い付くことはできなかったが、8位でフィニッシュし、目標をクリアすることができた。

@Katsumi Ishikawa

12月の全日本以降、1度しか外で走っておらず、さらに高強度トレーニングは皆無という中で、この位置でゴールで来たことは、ここまで精力的にレースをこなしてきた成果(=経験値やスキルの向上)ではないだろうか。

同郷の新潟メンバーが、シングルだよー、と笑顔で教えてくれたことが、またとても嬉しかった。

個々のLAPだけ見ていると気づきにくいが、ラップ平均値を見ると1秒2秒の積み重ねがいかに重要かが分かる。

また、平均LAPと最速LAPのギャップに着目すると、レース展開も読み取れる。自分の場合はスキルがボトルネックになっていて、速いLAPが叩き出せないものの、大きなミスなく(チェーン外れのみ)安定して走り切ったということが言える。

レースをまとめるという点では、安定したLAPタイムを刻むことは大事だが、それだけでなく、1LAPだけでも良いからめちゃ早いFastLAPを叩き出せるスキルとフィジカルを高めることも、上位に食い込むために不可欠だ。

自分がローカルレースのE1で上位に食い込むためには、課題がまだまだ山積みだ。

まとめ

昨年9月からスタートした長いシクロクロスシーズンが終了した。

大きく掲げた全日本優勝の目標には残念ながら届かなかったが、シクロクロスのスキルや人生経験など、収穫の多いシーズンになったことは間違いない。

こうした収穫を得ることができたのも、応援してくださった方々がいてのこと。重ね重ね、本当にありがとうございました。

これからは、ロードシーズンに移行し、まずはニセコクラシックに向けて頑張って参ります。
引き続き、応援よろしくお願いします!!

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意識の仕方、ちょっとの工夫、継続、そんな少しずつの積み重ねで、同じ練習内容でも得られる結果は変わってきます。沖縄4位、ニセコ総合優勝、国体ロード7位、乗鞍2位、Mt.Fuji優勝、数々の戦歴を残してこれました。いまは年齢に抗いながら、新たな工夫や意識を加えながら日々努力。一緒に頑張りましょう!!!

40代半ばのサラリーマン。そんな筆者が、家庭と仕事のバランスに苦悩しながら、ツールド沖縄、ニセコクラシック、マスターズ全日本選手権で上位を…

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