見出し画像

男4人で『秒速5センチメートル』見た話

どうもみなさんごきげんよう。

アラカルトでございます。

男4人で新海誠作品上映会をしてきました。今回のnoteは前編の『秒速5センチメートル』編です。(後編『言の葉の庭』編は現在鋭意制作中です)

私個人の2周目での見解、一緒に見て脳が破壊されたかわいそうな友人4人の哀叫を皆さんにお聞かせしようと思います。

では、ほんへどうぞ。


友人4人の悲痛な叫び

case1  センチメンタルな友人Tの叫び

筆者:映画観てどうやった?

友人T:1話はすごいよかった。純愛大好き

 2話はね、ヒロイン(澄田花苗)の静かな失恋がなんとも辛いって、はっきりわかんだね。

 3話を観て俺は新海誠という男が嫌いになった。ntrに脳が破壊されて、なんとも後味が悪かった。



とまぁ、こんな感じに概ね期待通りの率直な感想をいただいたのですが...

川村元気がしゃしゃり出してからの作品(君の名は以降)しか知らぬ友人Tは、全く調子の違う本作に大いにやられてしまったようです。

私としてもすごく嬉しかったですし、なにより彼がこれを観て真っ先に小説を貸してくれと言い出して来たのが、「脳ヤられちゃってるなぁ」という感じがして

当方としてはとても面白かったですね。はい。

秒速病の媒体とまでなってしまった私に救いはあるのでしょうか...

case2  映画好き友人Kの観たモノ

(筆者の問いは同じなので省略いたします)

友人K:心が離れるスピード、大切な人に会いに行くスピード、電車が走るスピード、など"スピード"を意識している作品なんだと感じた。人生において"別れ"や"すれ違い"はつきものだが、時間は流れ、世界は動く"スピード"を変えないところに美しさを感じた。



はい、お手本のような考察・感想でございますね。

初回のくせして、かなり作品のメッセージ性などに焦点を当てたコメントで本当に初めての視聴なのかと疑いたくなるところなのですが

彼が注目した、彼が最も大切だと感じたのが

速さ スピード

だと思うのですが、全くその通りだと思います。

いつかどこかでは完全に互いを理解し合い、互いに一瞬でもその理想に出会い、真の愛というモノに触れることができたとしても

彼らは、時間であり、距離であり、抗うことの叶わない茫漠とした、しかし明白に眼前に立ちはだかるものによって引き裂かれてしまう、そんな運命にあったのです。

最初は秒速5センチメートルで離れていったとしても、時間が経てば無限に近い距離が離れていってしまう。

私達はそんな彼等の見せる葛藤や選択に冒されてしまったのでしょう

case3  エキセントリックな友人Bの〆

最後はこいつ、友人B
では早速どうぞ

友人B:まず映像表現がバグレベル
内容は心の距離が離れていくという事に対して深く真摯に向き合っている作品だと感じた
好き嫌いは個人差があるとしても誰の心にも深く刻まれる作品だと思う


なんともこのクソnoteの〆に相応しい感想ですね。こんなに素晴らしい感想を上げていただいた友人3人には感謝です。

まず、彼が注目したのがその映像美

まぁこれは私がわざわざ言うまでもありませんね、新海誠という監督が今、一世を風靡しているのもこれを率先してやって来たからでしょう。

そして、友人Bは先ほどの友人Kとは異なり、その"速さ"ではなく、その"距離"について
注目しています。

この作品で扱われているテーマが大きく分けて2つ

一つは先ほど友人Kが述べた"速さ"について

もう一つが、今から説明する

"距離"

これは、今後の新海誠作品においても重要な役割を果たしています。
今作では、距離は速さと密接に関わりがあり、貴樹と明里を引き裂いたモノのうちのひとつ(だいたいこいつ)です。

運命の悪戯か、貴樹は鹿児島に引っ越すこととなり、スマホもない中学生にとっては気が遠くなるような距離があいてしまいます。貴樹が鹿児島に行っていなかったとしてもどういう結末を迎えているかはわかりませんが、ひとつ言えることはこの距離が彼等を引き裂いたということは明白です

また、万人受けしないと言うことを言っていますが、全くその通りかと。
基本、弱者男性や自己陶酔系男性が好みそうな雰囲気を醸し出しているので
果たして女性が共感できるのか、女性受けがいいのか、というのは疑わしいところ。

秒速病の媒体の懺悔

ここまで、私に秒速を半ば強制的に視聴させられた3人の友人の話をしてきましたが、ここからはまとめも兼ねて見させた筆者自身の意見を少しだけ書いて締めといたします。

まずは、2周目を終えての感想ですが、率直に言うと初回ほどダメージはありませんでした。貴樹と明里の結末をハラハラ観ることもないので、今作の細かな心理描写や、見逃していた部分などある種冷静に観ることができました。

まぁそれでも、ある種の反芻でそれなりのダメージを負ってはいるのですが、まだマシでしょう。再度、メンバーを変更して上映会を催す予定ですが、その時の反応が楽しみです。

最後に、わざわざ私のわがままに付き合ってくれた、友人3人に改めて感謝をの意を込めて擱筆とさせていただきます。

では、また。


愛を込めて アラカルト


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?