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ある
2019年3月2日 09:48
だんだんと、思い出せなくなってゆく世界があるそれは、夢と現実に、あまり境界線のない世界その世界は、砂や朽木で全てが構成されていた夏にも関わらず気温は2度もないくらいだおおよそ、生命と感じられるものは存在していなく、全ては可視化した意識そのものだったそこでは、一切の関わり合いが無に等しく、また無意味であった血の抜かれた世界とは、意識であったなぜなら、この世界は私という
2019年3月10日 13:40
季節の変わり目が僕の心を砕き解すようやく固まった決意や、板についてきた心情を春風とともに、いとも簡単に洗い流してゆく。目的を攫われてしまった僕はまるで安心して硬い地面を歩きながら、雪解けに目を奪われていると知らぬ間に泥濘に嵌ってしまった放浪者のようだ。泥のような倦怠から逸早く抜け出すにはそれが乾くのを待つしかないようだ必死に藻搔いた所で勝ち目はないのだから。しか
2019年3月13日 15:49
一頻り落ち込んだ空の表情は、ちょっと浮腫んでいる その心情には、泣く事で感情を表現しきった後に見られる、ある種の爽快感がある 油絵具をベタベタと塗ったような天蓋を、生乾きの風が慰めると、 雨のせいで、身体の境界を有耶無耶にされた僕の感覚帯は、命を秘めた木々に似て陰鬱に揺れる 自分がまだ水中にいる事を知らない人たちは、地上にいる不幸を嘆いているみたい濡れた岩肌に張り付く苔
2019年3月18日 15:13
春の息吹が地上を覆う 冬が、温かい眼差しによって命を奪われた 夏への予感を、期待させる 秋の麗しい思い出を忘れる事に成功した 澄んだ碧色の大気圏と 純度百度の新鮮さで満たされた空気 真空の中で、小鳥の声は僕を無視して通過していく 人間から見たら季節の変わり目のこの瞬間も 私達以外から見ればいつも通りの日常 この刹那を感じる事によってのみ、生命の存在を許される