橈骨神経麻痺の話 ③
左手が思うように動かなくなってから2週間。
ここで現れたのが、「左手いらないんじゃないの問題」
だいたいの事は利き手の右手があればどうにかなる。
そして、無理に左手を使おうとすると
めっちゃ疲れる。
文字通り「神経を使う」のだ。
普段何気なく使う言葉の意味を
身をもって理解した。
ものすごく意識して、意識して、「動け!」と念じても
ビクともしない。
動かそうと頑張ると、「うっりゃ!」と声が出る。
切り離された存在になってしまった。
そんな左手に転機が訪れたのが、
妹と指相撲をした事。
左手で挑むと即負ける。何もできん。
日常生活で使わなくなってしまい
筋肉が衰えたというのも大きいと思う。
でも、指相撲という遊びが
そんな甘えを楽しさで吹き飛ばしてくれる。
そうして、自己流リハビリにより
だんだんと私の左手は
暗黒龍の呪縛から意識を取り戻していったのであった。
つづく