「パケ死」撃退!ラジオ講座方式のオンライン授業
「パケ死」必至のZOOM授業
新型コロナウイルス対策で、大学のオンライン授業への取り組みは待ったなしの状態です。大都市圏に限らず、地方でも大学構内進入禁止という強力な感染防止措置を打ち出す大学も増えています。
ここのところ、リモートオフィス化で話題のオンライン会議ツールのZoomですが、大学の授業で積極的に活用されるようになって来ました。
しかし、いざ授業での利用が始まってみると、数日で学生の携帯の契約通信容量を超えてしまうという欠点が取り沙汰されています。
Zoomは比較的通信量が軽いといわれていますが、それでも毎週何コマもの授業をしていると積もり積もって、通信量は膨大なものに。
さらに、Zoomは急速な普及によってセキュリティ上の不安も取り沙汰されています。
ちなみに東京大学の大向一輝准教授による試算では、Zoomをカメラ映像+音声で1カ月に12GB(1コマ90分、週20コマ)にもなるそうです。
そんなこともあって、携帯3社は学生支援に乗り出し、通信料の一部を無料にする方針を固めましたが、格安SIMの利用者には恩恵はないようです。
大学の通信システムも悲鳴を上げた
その一方で、急激なオンライン授業化によって、大学の通信システムへの負担も過剰になっています。そして、ついにサーバダウンなんてことも、現実に起こってしまいましたね。
オンライン授業のやり方を工夫して、良いものを作り上げたとしても、いざネットに繋いでみたらトラブル。
なんてことになったら、学生にとっても、教員とっても、いいことは何もありません。
超軽量なラジオ講座方式
そんな中で、超軽量でオンライン授業をするアイデアが、「新型コロナ休講で、大学教員は何をすべきかについて知恵と情報を共有するグループ」紹介されていました。
それが「ラジオ講座方式」です。
そう、NHKラジオの「基礎英語講座」みたいに、音声だけで授業をする方式です。
やり方はたったの3段階。
①スライドソフトなどで作成した配布資料に沿って講義を録音する。
②PDFに変換した講義資料を大学のサーバーやオンラインストレージにアップする。
③受講生はそれをダウンロードして聴いて独習する。
録音するときの注意として、学生はの状態を想像しながら話すことです。印刷した資料を手元に置いているのか、パソコンで資料を見ているのか、小さなスマホの画面で資料を見ているのか。
どのケースでも、ちょっとした気遣いが必要です。
それは、資料をめくるときに「○○ページに移ります」と案内することです。そうしておくと、学生は資料の何ページを見ればいいのかが分かります。
ラジオ講座方式のメリット
ラジオ講座方式には、次のようなメリットがあります。
①音声だけなので容量も少なく、通信量の負担は格段に小さくなる。
②録音したものを大学のサーバーに置いても、リアルタイム放送をしたとしてもサーバーの負担が軽減される。
③何度も繰り返し聞くことで、理解を深めることができる。
ただ、どうしても一方的なものとなるので、双方向性、対話性を重視したアクティブラーニングにはなりません。
これは、通信インフラへの負荷を避けるための、一時避難的なやりかたと心得ておくべきでしょう。
(とはいえ、学生たちの独習を基本とするので、主体性は維持できていますが)
おサボり防止にはノートテイクを
問題は、学生が音声を聞き流したり、ダウンロードだけして学習しない場合です。この対策として、
①穴埋め型の資料を配付して、空欄を埋めながら聞いてもらう。
②15分ごとに音声を切り、その度に確認テストを入れる。
③ノートテイクを必須にしてノートを提出させる。
なんて方法があります。
穴埋め型もよさそうですが、『AIに負けない子どもを育てる』で指摘されているように、学生の読解力に悪影響を与えます。
確認テストは問題を配布してしまうと、録音した講義も聴かずにテストを解いて終わりという場合も想定できます。音声の講義を聴かないと答えられない質問をつくるなど工夫が必要となります。
ノートの提出は、デジタルノートだとコピーを提出する恐れもあります。それを避けるためには、手書きのノートの写真の同時提出がよいでしょう。
もっと良い方法は「マインドマップ」の書き方を教えておいて、マインドマップを撮影して送ってもらうことです。マインドマップなら手書きのうえに、人によって書き方が違うので、コピーの心配はありません。
超軽量のオンライン授業「ラジオ講座方式」を、あなたも試してみませんか?
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