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初めての壁画修復の話

チャオです!
イタリア在住で壁画修復やってます

最近お仕事がないので
過去形にした方がいいのかも
って思ってます 苦笑

2015年に修復に関わった天井
1800年代の装飾が施された
フィレンツェ中心街の貴族の館の一室

壁画修復の仕事についたきっかけは
イタリアで色々な技法を
学んでいる時に通った
フレスコ画(壁画の一種)の学校です

コース終了後しばらくしてから
学校の事務方のセルジョから
「壁画修復の手伝いを探している人がいるよ 
興味ある?」
と連絡がありました

留学生活も3〜4年たち
特に現地でバイトなどせず過ごしたため
貯金の底も見え始め
そろそろ本帰国考えなきゃな と
肩を落としていた私

修復の現場に興味もあるし
きっと素敵な経験ができるはず(目がハート)
そしてその思い出を胸に
日本に帰って頑張ろう(涙)

と考えていた

行ってみると
天井装飾画の修復の現場だった

5メートルほどの高さにある天井には
17〜18世紀頃の様式の
軽やかな色とデザインの
装飾画がついてる
(残念ながらこちらの写真データがなく
お見せできません)

可動式やぐら状の足場の上で修復しているのは
壁画修復や壁画・装飾に何年も携わり
同じフレスコ画コースを私の前年に終了した
エンリーコ
(お写真は許可が降り次第掲載予定)

可動式ヤグラ状の足場はこんなやつ
2015年
前述の館の別の一室
足場の上で作業する高野

私の主な仕事は いわゆる下働きで
汚れた洗浄水を替えたり
足場を移動したり
筆や道具をを洗ったり
という誰にでもできること

でも最後の数日は
欠損部分やかすれて消えそうな部分に
色を補うこともやらせてくれました

え?やってもいいの?未経験だけど
と言う私に エンリーコは
いいからやってみろ!と
調整済みの絵の具と筆を持たせた

普通は入れないようなお屋敷の一角で
数百年前の天井にドキドキしながら触れる
夢のような体験ができました

これだけでも大感謝なのですが
なんとなんと
‥‥‥
その数週間の手伝いへの報酬として
お給料をいただいちゃったのです



これが初めての壁画修復
イタリアで初めてのお給料

額は未経験の手伝いのそれでしたが
この事で 
「もしかしたら
もう少しイタリアで頑張れってこと?」

と勝手に解釈し
本帰国は念頭から消え去ったのでした

このお仕事の後
エンリーコに気に入ってもらえて
度々彼が携わる壁仕事に
アシスタントとして呼ばれ
経験を重ねるうちに

徐々に「1人でできるもん」
な私に育っていった

つづく…かも



壁仕事につきもののちょっとした
苦労話やその後の事例も
いずれご披露するかもしれません

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Akiyoのフィレンツェ画房
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