4月18日 合理的に、精神的に鍛錬する事
4月18日ですね。
昨日は佐々木投手の再びの快挙をテレビで観戦していました。
佐々木投手の快投も素晴らしかったのですが、それ以上に印象に残ったのは、井口監督が佐々木投手を交替させた判断です。
メジャーリーグでも達成された事のない、二試合連続の完全試合。それがあと三人と間近に見えていても、記録達成も厭わずにマウンドから降ろす。見事だと思います。
精神が鍛えられていれば困難は乗り越えられる。そんな戦時中の考えであれば続投させたでしょう。大記録がかかっているのですから。
でも、今の時代はそうではありません。統計とデータに基づき、疲労度や負担が計測できます。佐々木選手の選手生命やチームの今後を考えるとトータルでは損になる。そう考えて交替させたのでしょう。心ではいくらやれたとしても、肉体が壊れてはどうしようもありませんから。
一方で、精神の大切さが完全に無意味かというと、私はそうではないと思います。
昨夜も次女を一人暮らしの家まで迎えに行きました。ミシュラン一つ星のお店に就職した次女は一番下っ端です。すでに仕事はめちゃくちゃ厳しく、本人も結構凹まされているようです。4月も4週目に入っていますが、社会人の洗礼を浴びているようです。
休みだったはずのこの日も、クロスの洗濯に駆り出されていました。
これも合理性だけを考えれば、クロス洗濯などは業者に依頼すれば良いだけの話。日々の仕事もそう。ミスしても問い詰めずになあなあでやっても良いのです。ですが、それをしないのは、お店の品質をキープするためでしょう。ミシュランの調査員を待つまでもなく、お客さまは味やサービスに敏感ですから。
翻って、IT業界です。IT業界も今でこそ、徒弟制度や精神論はだいぶ減りました。が、数年前までは普通にあったように思います。私も何十人にも囲まれバグを詰められたことがあります。自死を遂げた方の話も何人も聞いたことがあります。
自死まで行くと行き過ぎです。が、ある程度の負荷がかからないと、技術者としてワンランクアップすることができないのも事実。自分で自分を追い込み、ワンランクアップできれば良いのですが、なかなか普通の人にはそれが難しいです。
人生など別に仕事を突き詰めるためにあるのではなし、なあなあでいいや、という考えもわかります。ですが、それは個人の人生の中の話。会社やお店やチームの一員であれば別の話です。
なあなあで仕事をされてしまうと、会社やお店の評価に影響を与えます。すると、お店や会社の死活問題に関わります。
合理性も大切ですが、なあなあな仕事はさせないように適度な緊張感は持たせなければ。この辺のさじ加減を、私も試行錯誤しながら日々経営しています。
おそらく佐々木投手にしても、この3年間、キャンプや日々の練習で心は鍛えられてきたはずです。肉体を壊さない範囲で黙々と単調なトレーニングを積んできたはずです。
その成果があっての昨日と前回の快挙です。
私もこうした判断が速やかにできるよう、心を練らなければ、と思いました。