読書メモ:頭のいい「教え方」すごいコツ!
人に何かを教えるのが楽しくなる本です。特に、部下や後輩に対して教える立場の人は実際にやってみるといいですよ。
ずいぶん前に読んで、そういえばそういうことが書いてあったよなと思い出しているところです。覚えていなくてもやっていることと、当時やろうと思ったのに結局やっていないことがあります。
例えば、ここは覚えています。ティーチングで知識を教えておかないと、考えさせようとしても考えることができないという部分。次のような会話になることがあります。会社の仕事の手順で、わからないところがある新人の社員Aと、その上司の社員B。
社員A:どうしてそうするんですか?
社員B:君はどうしてだと思う?
社員A:わからないから聞いているんですが・・・
社員B:・・・・・・
(「頭のいい「教え方」すごいコツ!」から引用)
社員Aが「ひょっとして〇〇だから、そうするんでしょうか?」と言ってくれるのを社員Bは期待したかもしれません。でも、考えるためには知識があるのが前提です。
人に知識を伝えて教えるのが面白くなる本です。
知識を伝えた上で、考えてもらって仕事を任せられるようになれば楽しいでしょう。仕事が進んで、成果があって、部下も育つのだから気持ち良いです。イライラもしなくなります。
その第一歩として、「教える」ことについての誤解を解くところから始まります。この本で挙げているのは5つの大きな誤解です。そのうちの一つが、「ティーチングよりコーチングがいい」というもの。コーチングは大事ですが、知識を伝えるティーチングが先に必要です。そのあとでコーチングなら価値がある。
シンプル・イズ・ベストも常にそうではない、など全部で5つの大きな誤解について何がどう違うのかを説明する最初のパートです。
正しい指示の仕方と「教える」の関係
仕事の方法を教えることと、実行するために指示を出すこと、これを一度にやってしまうと仕事の方法を覚えるタイミングがありません。教えることと、実行の指示を出すことをどうやって分離するのか、ということも解説しています。
どこで考えさせるか、どうやって人は知識を身につけるのかを解説しているのが、この真ん中のパートです。考えさせたり、質問したりしながら教えるのも、コツを押さえておけば「頭のいい」教え方ができます。
この部分を読んでいると自分の頭が良くなったような気がしてくるので楽しいです。
教え方のコツを14個も知ることができる
14個もいらないと言うかもしれませんが、3つか4つ常に実践しているだけでも結果が違ってくると思うんですよ。
二つのことをいっぺんに教えないとか。覚えて欲しいことを繰り返し言うとか。しかも2回じゃなくて、3回なんです。いいですか、2回じゃなくて3回なんですよ。3回書くのは無駄なので書きません。
話しているときは3回が自然だし、耳に残ります。1回目は聞き流されているので、3回言わないと繰り返したことにならないのです。
読みやすくてお得感がある本です。
読みやすいのに内容は色々書いてあるのでお得です。ところで、巻末資料として「教える手法のバリエーション」というのがあるんですが、前回はここを読んだ記憶が全くありません。
レクチャーとデモンストレーションとあと4つ、合わせて6つの違いを表にまとめてあって、とても助かります。今欲しい情報だからすごく気になったのかと思います。
教えてもらう側の状態も大事なのでしょう。ではまた明日。
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