今だからこそ書籍・活字からヒントを得る
いつだったか、学生さんを前に話す機会があり、その年頃にはアニメファンが多く中でもスタジオ・ジブリの作品が好まれていたので、雑誌「AERA」で掲載されていた記事を紹介した。
タイトルは「ジブリ作品を育てた本の森 鈴木敏夫を宮崎駿につなげた232冊」(2014年8月11日号)。だからもう、僕が学生さんたちを前に話したのも、8年半くらいは以前の話になる。
鈴木氏の書籍には約4000冊の蔵書があるといい、その本の写真と蔵書のリストが掲載されていたのだが、学生さんたちはこれに驚いたようだった。
記事の冒頭にこうある。
鈴木氏は吉川英治の「宮本武蔵」、富田常雄の「姿三四郎」、漫画家の杉浦茂の作品などを愛読していたが、宮崎氏もこれらが好きだったという。
また、宮崎氏に「読んでいないんですか」と言われ芥川賞作家の堀田善衛を読み始めたという話もあったそうだ。
鈴木氏は徳間書店刊行の「アサヒ芸能」出身。企画部というセクションに所属していたそうだ。 蔵書リストには、芸人、実写映画、政治、風俗史など幅広いが、それは週刊誌にいたからだろう。また、大人の鑑賞に堪えられるジブリ作品のベースはここに合ったか、と伺い知ることもできた。
僕が社会人になりたての頃は、先輩に「毎日、硬軟あらゆる雑誌と新聞を読め。暇があれば本屋に通ってあらゆる本を読め。それから海外出張したときは、必ず寄り道をしてミュージカルや芝居、美術館を見てこい。俺たちの仕事は氷山の一角。その下の土台が大事だ。」と言われた。
僕はこの教えを忠実に実行した。ネットの時代だからこそ、書籍や活字から新しいヒントを得られると思う今日この頃だ。
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