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デビル夫人降臨!

創作ショートストーリー


2023年1月1日早朝

朝日がカーテンの隙間から部屋にさしこみ
私の顔を照らす。


元旦を日の出とともに目覚めるのも悪くない。
いよいよ2023年が始まると思うと、
すこし身が引きしまる思いだ。


(モーニングコーヒーでも飲もうか)
と思った瞬間に机の引き出しが急に開いた。


「狭いわネェ〜 一体どうなってるのよぉ?」

「ひええぇぇ〜〜〜っ」
引き出しからいきなり人が出てきた。
ビックリして思わず声が出た。


デビィ夫人を思わせる風貌の
見ず知らずの高齢女性だ。


「ア〜タね〜(あなたの意)この机の引き出し小さいのよぉ。だから、日本サイズは嫌いよぉ」
「……机から出てきました?」
「あーたり前よ。タイムマシンで来たのよぉ」


ドラえもん同様、机タイプのタイムマシン?


「どちらさんですか?」
「ア〜タね〜あたしは、2028年からやってきたデビル・スカルプよ」
「デ・デビル〜?」


「ア〜タね〜、人をデビルマン(昭和のTVのヒーロー)みたいに言うんじゃないわよぉ。デビル夫人とお呼びなさい」
「デビル夫人?」


「そうよぉ、アメリカの第48代大統領バッシュ・スカルプの第3夫人よ」
「バッシュ?バスケットシューズ?」


「そうそう、バッシュと間違えて頭に足入れられて踏まれたことも二度三度。
ってアホかぁ〜あるわけないでしょうぉ〜〜」
「何?おいでやす小田ばりにキレてる!」
「ダ〜レがおいでやす小田よぉ!」


「あ、すみません、デビルマン夫人」
「ダ〜レが、デビルマン夫人よぉ〜ほなら、この手からデビルビーム出るんか〜あ、ちょっと出た。って出るかーー絶叫で喉ちぎれるわよぉ〜」


どんだけツッコミ上手いんや、キレキレ!


「デビル夫人は何をしに来たんですか?」
「ア〜タも、たまには良いこと言うじゃないのぉ。ア〜タが校長をしている2026年にできたAWC(放課後ライティング倶楽部)ハワイ校あるでしょ」


「AWCが学校になるんですか?」
「ア〜タね、当たり前のこと言わないでよぉ。2024年に文章の専門学校AWC大阪校ができてから全国に展開するんじゃないの!」


「えっー、そうなんですか?
というか、私がハワイ校校長って言いました?」
「言ったわよぉ。ア〜タね、耳悪いの?
あたしも、2027年から文章を学びたくてハワイ校に入ったのよ。ア〜タの講義も面白いわよ。あの“メンタイコ”ライティング」
「メンタルライティングですよ」
「ア〜タねぇ、わかりやすくボケてるんだからきっちりツッコミなさい!
あたしのツッコミ魂を揺さぶってみなさいよぉ〜」


「ツッコミ魂って、めんどくさいな〜」
「めんどくさい言うんじゃないわよぉ〜、ドタマかち割って脳みそでメンタイコスパゲティ作るわよぉ〜! お前の眉毛をノリにしたるわよぉ〜!」


「口悪いな〜、ツッコミにメンタイコ入れて回収するってスゲ〜!夫人は結局、何しに来たの?」
「ア〜タが、しょうもないからツッコミいれてしまうんでしょ。AWCハワイ校で文章を習ったら、みるみる文章が上手になったから御礼にきたのよ!土下座して感謝しなさい〜」


「御礼にきて土下座を強要するって?」
「ア〜タが、文章を習った理事長のヤスキヨのヤッさんによろしく言っといてね!」


「ヤスキヨのヤッさんって、横山やすしちゃうねんから」
「ア〜タねぇ、今のは『横山やすしちゃうねんから』
の後は、
「怒るでしかし〜」
と最後まで物真似で完結して言わないとダメよぉ〜。次にくる時までには腕上げときなさいよぉ〜」


(私、右腕をゆっくり上に挙げる)


「コラ〜〜腕挙げてどうするのよぉ。
ツッコミの腕あげんか〜〜い。って、
ア〜タも、やればできるじゃないの。
最初からそうしなさい。じゃあね(と言いつつ机の引き出しに入り、右手親指を立てて沈む)」


「ターミネーターかよ!!!
ふ〜やっと帰ってくれた。デビル・スカルプヘアか。けったいな人やったな」


引き出しがパッと開き、
右手親指を先頭に夫人が浮上してきた。


「コラ〜〜、誰がスカルプヘアよぉ〜!
人を養毛剤みたいに言うんじゃないわよぉ〜〜〜
ア〜タのコメカミに毛生やしてやろうかしらぁ〜〜!
あ〜気持ち良かった〜
私のツッコミ魂刺激してくれてアリガトウ。
またストレス溜まったら来るわねぇ」
「もうええわ!どぅもアリガト」
               (完)


※最後まで読んでいただきありがとうございます。
出川哲朗さんとデビィ夫人のやりとりが面白くて大好きなんです。
おいでやす小田さんのツッコミも好きで
デビィさんが小田さんのツッコミをしたらとうなるかと連想したらできました

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