俳優ノート『瀬戸康史さん』
気になる俳優さんの出演作についての覚え書き「俳優ノート」。今回はドラマ『ルパンの娘』に出演する瀬戸康史(せと こうじ)さん。
今年8月に女優の山本美月さんと結婚した瀬戸さん。大ヒットした『私の家政夫ナギサさん』に引き続き、現在は『ルパンの娘』続編に出演と、すっかり売れっ子俳優に。
若手俳優の登竜門はいくつかありますが、瀬戸さんは複数のルートを辿ってきました。『ミュージカル テニスの王子様』(2006年)でテニミュ俳優、『仮面ライダーキバ』(2008年)で仮面ライダー俳優、『あさが来た』(2016年)ナル様役で朝ドラ俳優、といった具合。
瀬戸さんはNHK御用達俳優という側面ももっています。まずはEテレの教養番組『グレーテルのかまど』のホストを、2011年から現在に至るまで務めています。大河ドラマ『江』(2011年)『花燃ゆ』(2015年)、朝ドラ『まんぷく』(2018年)など、NHKドラマへの起用も多い。
そんな一本が『幕末グルメ ブシメシ!』(2017年、2018年)。幕末を舞台にしたほのぼの系グルメドラマで、瀬戸さんは藩主(草刈正雄さん)に翻弄される藩士役をコミカルに演じています。
次もNHKドラマで『透明なゆりかご』(2018年)。「町の小さな産婦人科医院を舞台に、ひとりの感性豊かな少女の目線で、“命とは何か”を問い、見つめてゆく」物語。今最も乗っている安達奈緒子さんの脚本が冴えわたっています。
中絶や母体死亡など、産婦人科の現実と真摯に向かい合った、『コウノドリ』とはまた一味違った傑作。来年の朝ドラヒロインに抜擢された、主演の清原果耶さんも素晴らしいのですが、医師役の瀬戸さんの深みのある演技が本当にいい。たぶん、瀬戸さんの現時点でのベストアクト。
最後は『パーフェクトワールド』(2019年)。『私の家政夫ナギサさん』(2020年)もそうでしたが、瀬戸さんはいわゆる“当て馬”的な振られ役、残念なイケメン役も多いですし、また似合う。本作もまさに“当て馬”。
障害で恋をあきらめた建築士(松坂桃李さん)と、初恋の相手に恋心が再燃したヒロイン(山本美月さん)の恋愛もので、瀬戸さんもヒロインといいとこまで行くのですが、最終的には身を引く決断。とはいえ、現実世界では山本さんとゴールインしたのは瀬戸さん。パーフェクトカップル。
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