見逃せない!春ドラマ「脚本家」5人
「映画は監督のもの、ドラマは脚本家のもの、舞台は俳優のもの」などといいます。新ドラマ情報が解禁されると、どうしても出演者に目が向きがちですが、脚本家で作品を選ぶと、ハズレが少ないような気がします。
というわけで、2021年春ドラマから、信頼度の高い脚本家5人を挙げてみます。まずは、松たか子さん主演『大豆田とわ子と三人の元夫』(火曜夜9時、フジテレビ)の坂元裕二さん。
映画『花束みたいな恋をした』もヒット中の坂元さん。『東京ラブストーリー』『Mother』『それでも、生きてゆく』『最高の離婚』『Woman』『問題のあるレストラン』『カルテット』など、傑作と評される作品が多数。妻が女優の森口瑤子さんというのもツボ。
次は、芳根京子さん主演『半径5メートル』(金曜夜10時、NHK総合)の橋部敦子さん。現在、『知ってるワイフ』と『モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜』を掛け持ちで書いていて、しかも両方とも秀作。そして、4月期も担当とパワフル。
フジテレビ系を主戦場に『ピュア』『救命病棟24時』などに携わった後、『僕の生きる道』など僕シリーズ3部作で知られるようになりました。『フリーター、家を買う。』は、東京ドラマアウォード2011でグランプリを獲得。
3人目は、松坂桃李さん主演『あのときキスしておけば』(金曜夜11時15分、テレビ朝日)の大石静さん。脚本家デビューが1986年の大ベテラン。朝ドラ2回(『ふたりっ子』『オードリー』)、大河ドラマ1回(『功名が辻』)担当の大御所。
『セカンドバージン』『大恋愛』など、“ラブストーリーの名手”と言われがちですが、『お天気お姉さん』『家族狩り』『家売るオンナ』など、守備範囲は案外広いです。
4人目は、これまた松坂桃李さん主演『今ここにある危機とぼくの好感度について』(土曜夜9時、NHK)の渡辺あやさん。実在の大学寮をモデルにして話題を呼んだ『ワンダーウォール』は、映画化もされました。
寡作で知られる渡辺さんですが、映画『ジョゼと虎と魚たち』『メゾン・ド・ヒミコ』『天然コケッコー』はいずれも名作。朝ドラ史上の傑作との声も高い『カーネーション』も渡辺さんの手によるものです。
最後は、菅田将暉さん主演『コントが始まる』(土曜夜10時、日本テレビ)の金子茂樹さん。武藤将吾さんと並んで、フジテレビから日本テレビに主戦場移動組。
フジ時代は『危険なアネキ』『プロポーズ大作戦』『ヴォイス〜命なき者の声〜』、日テレでは『世界一難しい恋』『もみ消して冬』などがヒット。直近の『俺の話は長い』が傑作だっただけに、今回も期待したいところ。
以上5人全てオリジナル作でしたが、その他にも『イチケイのカラス』(浜田秀哉さん)、『珈琲いかがでしょう』(荻上直子さん)、『着飾る恋には理由があって』(金子ありささん)、『桜の塔』(武藤将吾さん)、『最高のオバハン 中島ハルコ』(西荻弓絵さん)も要チェック。