「昭和の倫理観」がトレンド入りした件

朝ドラ『おかえりモネ』第6週「大人たちの青春」では、主人公・百音(清原果耶さん)の両親(内野聖陽さん&鈴木京香さん)の馴れ初めが描かれると共に、そのエピソードを語る人物として登場した、ジャズ喫茶の田中さん=トムさん(塚本晋也さん)にまつわる話が大きなウェイトを占めました。

若い頃の度重なる浮気が原因で、妻子と別れたというトムさん。話を聞いてドン引きする百音に、「昭和の倫理観」で当時は「よくある話」と言い訳するトムさんに、Twitter上では怒ってる人が多くて(笑)。

両親が出会ったのは昭和61年(1986年)で、バブル景気真っただ中。京香さんの女子大生ファッションも納得がいきますし、あの姿のコージーが銀行にあっさり入行できたのも、時代のせいかも知れません。

時代はやや遡りますが、ヒロシ&キーボーのデビュー曲『3年目の浮気』が大ヒットしたのが1982年。歌詞が示す通り、この時代あたりまでは「浮気は男の甲斐性」などという風潮(常識)がまだあったようにも思います(個人差はありますが)。

常識とやらは、時代によって変化するもので、幼い頃の記憶を遡ると、「親は家で介護するもの」「田畑は長男が相続するもの」「女性が人前でお酒を飲むのははしたない」など、現在の常識からすると隔世の感ですが、そんな常識にみんな捉われていたんでしょう。

といって、常識が変わるといっても、全世代の意識がいきなり切り替わるものでもなく。昔ながらの常識で生きている人も併存しているということは頭に留め置くべきでしょうし、今の常識とやらも、後世の人たちからは「古くさい」と言われる可能性もあるでしょう。

例えば、一夫一婦制が、現代日本における、男女の落ち着く先の一応の常識としても、数十年後には結婚はせずに子供をもうけ、恋愛関係はお互い自由というような男女関係が多数派になったりして。令和を振り返って「なんて不自由な男女関係!」と驚かれる日が来るかもしれません。トムさん復権。



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