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女優ノート『斉藤由貴さん』

気になる女優さんの出演作についての覚え書き「女優ノート」。今回はドラマ『危険なビーナス』に出演の斉藤由貴さん。

斎藤さんというと、『少年マガジン』のミスマガジンでグランプリに輝き、明星食品のCMに抜擢されて注目された、と語られることが多いのですが、実は1984年の第1回東宝シンデレラオーディション出身です。

松岡修造さんの父親で、東宝名誉会長の功さんが、関連会社・東宝芸能の社長も兼ねた時代。沢口靖子さんがグランプリで、斎藤さんはファイナリスト。功さん曰く「歌がうまい斉藤由貴は秘密兵器として温存していた。(中略)沢口靖子がいた。歌は下手、美人なのに華がない…」と(笑)

1985年、歌手デビューし「卒業」が大ヒット、ドラマ『スケバン刑事』で連ドラ初主演し、これまた話題を集め、翌年には朝ドラ『はね駒』のヒロインに抜擢。最高視聴率は49.7%の記録を残しています。歌手と女優をトップで両立させたという意味では、山口百恵にも似て。

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代表作多数なので、個人的に思い入れのある作品から、映画『君は僕をスキになる』(1989年)。山下達郎の「クリスマス・イブ」にのせた男女4人のラブ・コメディ。当時人気絶頂だった山田邦子さんとのW主演で、企画が秋元康さん、脚本が野島伸司さんという、狙った感ありありの座組。

今では笑ってしまうくらいに、クリスマスイブが重視された時代。バブル感満載でベタな話ではありますが、全ては山下達郎の歌声と共に浄化されます。斎藤さん演じる苫子の「君は僕をスキになる」というセリフは、個人的にも流用させていただきました。

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次は大河ドラマ『真田丸』(2016年)。戦国時代の名将・真田信繁(幸村)の生涯を描いた傑作。斎藤さんは徳川家康(内野聖陽さん)の側室・阿茶局(あちゃのつぼね)を演じました。

夫・家康を巧みに操る策士として描かれた阿茶局。コメディエンヌとしても一流、怪演女優としても知られる斎藤さんの演技は「コワかわいい」などとも評されました。三谷幸喜氏の当て書き。

最後もNHKドラマで『お母さん、娘をやめていいですか?』(2017年)。友達関係のような母(斉藤由貴さん)と娘(波瑠さん)が、ある男性(柳楽優弥さん)の登場で母が暴走、毒親化していくサスペンス系ホームドラマ。

『14歳の母』『白い巨塔』『昼顔』などの名脚本家・井上由美子さんのオリジナル作。斎藤さんの怪演が話題になりましたが、番宣で『土曜スタジオパーク』に波瑠さんと出演した際、MCのバカな質問に冷たく返し、場を凍り付かせたのも記憶に残るところです。

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