「~倍」問題の要は、1倍
ようやく、この正答率12%問題の結末です。
『赤いテープは120cmです。赤いテープは、白いテープの0.6倍です』
文章題を解くには、余計なことはせず、
文章を徹底的に読むよう言ってください。
また、言い換えさせる中で、自分の考えが正しいか判断させていくことも必要です。今回で言うと、「白いテープの0.6倍です」が曲者なのです。大人が読めば、簡単に「白いテープの方が長いやん」と想像がつくのですが、なかなか四年生では難しいようです。
白いテープの0.6倍ということは、白いテープがもとになる長さ、つまり「1倍」である。この判断がつかなければ、5年6年で割合や単位量、速さが解けないのです。
何度も何度も「1倍は何?」と聞いていくことや、
同じ問題をくり返し解かせて「1倍」がうまく見つけられるようにしていくしかないのです。
それを、間違ったやり方(パッと見、かんたんにできそうなやり方)で教えてしまうことで、思考力、読解力が一切身に付いていない高学年が完成する、という訳です。
『悪問』を活用し、子ども達の学力をきちんと保証していける、
そんな教室を増えてくれることを、私は願っています。