タイヤがパンクした話
タイヤがパンクした。
自転車のタイヤではない。車のタイヤだ。
パンクしたのは初めてではない。約10年ぶり3回目のパンク。
一度目は、お盆を2日ほど過ぎた夏の日。
一人で祖父母の墓参りに行った時のことだった。
お墓に参って駐車場に戻ったら、タイヤがパンクしていた。そういえば、来る途中でなんだか走り心地が悪いと思ったんだよね。
さて、どうしたものか、と考えた私は両親の指示を仰ぐこととした。
その日彼らは、車で1時間ほどの父の実家に帰省していた。
時間的には到着して少しのんびり過ごしている頃だっただろうか。
電話をかけて事の次第を説明したら、下された指示は「その場待機」だった。
と、書くとすんなり指示が出たように見えるが実際は電話の向こうの両親はかなり慌てていて私との色んな攻防があった後に出たものだった。
「は?パンク?あんた、お墓参り自転車で行ったの?え?車?
ちょっと待って、お父さんと相談するから。
近くのガソリンスタンドまで行くには遠いよね。ホイールがダメになるわ。
あ、そうだ、あんた、スペアタイヤがあるから付け替え・・・・」
「いや、無理、できない。」
食い気味に断った。
正直なところ、それはパンクしているという事実が分かった時に頭の中をよぎった。
自分でスペアタイヤに付け替えて、近くの自動車用品販売店なりガソリンスタンドなりに行けばいい。
でも・・・・。タイヤ交換って本来男性が身につけるスキルじゃないのか。
アラサー、未婚、一人で墓参りに来る女。
ここでタイヤ交換のスキルを身につけると代わりに何かを失う気がする。
結果、両親が遠路はるばる墓地にやってくるまで暑い車内の中で下町ロケットを読みながら待機、ということになった。
そう、事件は重なる物で、ガソリンが残り少なかったのだ。
1時間経ってやってきた両親と親子3人で汗をだらだら流しながら、必死にスペアタイヤを変えた。
お墓参りにやってきたのに、パンクって残念だったけど、おかげで親子の仲が深まったよ。
ありがとう、ご先祖様。
この話を休み明けに同僚のおじさまににしたら
「そういう時に、電話で駆けつけてくれる素敵な彼氏はいないのか。」
と言われ
「私も、心底そう思いました。」
と返したことを覚えている。
あれから、約10年。
間の1度のパンクをはさみ、(ちなみにそのときも両親に変えてもらった)3回目。
あのとき自分でタイヤ交換をしなかったおかげか、今回は2人のわが子も一緒。
そして、ラッキーなことに夫も今日は休みで家にいる。
ところが、携帯を家に忘れていた。
もう、ほんと、私は多分「うっかりの神様」に好かれているんだと思うの。
ここまで色々重なるかね?
幸い、公衆電話が近くにあった。
しかもピンク電話。ダイヤル式で、10円しか入れられないやつ。
これ、今の若い子使えないよね?昭和生まれ、バンザイ。
財布には20円。夫に電話をかけるといぶかしそうに出てくれた。
「あのね、私。今、○○の駐車場なんだけどタイヤがパンクしちゃってさ、悪いけど来てくれる?」
早口で言いたいことを伝えたところで電話が切れた。
さて。今日は私は2歳児と0歳児と一緒。
夫が来るまで待っているには時間が持たない。
というか、何もせずに待っていたら絶対に夫も子どもも機嫌を損ねるので、出来る限りのことをしておこう。
3回もパンクしたおかげで、スペアタイヤとジャッキがどこにしまってあるかもしっかり分かっている。
車の説明書を見たら、タイヤ交換の方法が書いてあることも知っている。
幸い、2歳児は久しぶりに見るトランクに積んであったベビーカーに夢中で乗って遊んでいる。
0歳児はチャイルドシートで大人しくしている。
よし、出来る限りのことをしておこう!
結論から言うと、タイヤ交換、ほぼ1人で出来ちゃった。
夫がしたこと。最後のタイヤのナットを締めただけ。
「どうやって交換すればいいのかわからん。」
と言われて、夫が来た時点で、ジャッキで車を上げていた私がその後も殆ど1人で作業した。
ねぇ、10年前の私。
多分、タイヤ交換しても何も失わないよ。
2児の母になったけど、夫はタイヤを交換できなかったよ。
私のパートナーは、タイヤの交換が出来ない、10年前に思い描いていた人とは違うけど、嫁からの電話に何一つ文句を言わずに来てくれる優しい人だよ。
そして、その後行ったカーディーラーで「JAFを呼んだらいいですよ。」とアドバイスもらったよ。
そう、夫はJAF会員。ということを言われて思い出したよ。
「次はそうしますー。」って言ったものの、4度目はないと思いたい。
タイヤ台、14000円なり。とほほ。
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