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子供達と旅をしよう−旅に危険はつきもの

我が家の稼業はレストランで、海外赴任がなかったので、長女がスケートを止めたのを機に、娘達と旅をはじめました。6才と10才でした。毎年、3週間近く、アメリカやヨーロッパへ行きました。最初の年は、妹家族も一緒でしたが、そのあとはいつも私と娘2人だけの三人旅行。大概は知り合いの家か、現地の知り合いが途中参加してくれてairbnbの民泊でした。世界中に戻っていった、うちにいたベビーシッターのお姉さんたちと、そのお母さんとかお姉さんとかです。

小さな子供達とホテルのレストランで食事をするのは大変ストレスだったし、お金もかかるので、基本はアパートで毎日自炊。そして一度くらいはおしゃれして、素敵なレストランに行きます。そのために、4才の姪も旅に出る前にナイフ・フォークの使い方を一生懸命覚えてくれました。そうやって出かけたレストランで何を食べたか、みんな今でもよく覚えています。

旅した先の国ではなるべく一度は地下鉄に乗るようにしています。地下鉄を使うと現地の人々の日常生活がよくわかるし、その都市のインフラの発達もわかります。

上海では切符の買い方がわからなくて、困っていると、助けようとしてくれる人々の人だかりができたり、ローマではジプシーのグループに囲まれて、私が鞄を取られそうになって争っている間に、私の妹の財布がすられていました。幸いパスポートは盗まれなかったので、カードの再発行と現金の被害のみ。(写真はローマの地下鉄駅でジプシーに取り囲まれる5分前)

こういうことを経験させたくて、現地に行くのです、わざわざ地下鉄に乗るんです。中国の人も、現地に行ってみると日本人に親切にしてくれるじゃないか、とか、地下鉄に安心して乗れない国もあるのだなとか、そういうことは日本にいては教えられないですよね。

ローマで列車に乗り込む時には、小さな子供三人と私と妹で、列車のタラップを全員分の荷物を持って上がる自信がありませんでした。そんな時に、ジプシーみたいな人たちが、列車に荷物を積み込むのを手伝っているのが見えました。時々駅員さんに追い払われますが、また戻ってきて続けます。心配でしたが、一か八か、その人たちに荷物を上げて席まで運んでもらいました。言葉が通じないので、「お金は後払いだよ」とジェスチャーでお札を見せながら。席まで無事に運んでもらった時は胸を撫でおろしました。

レンタカーを借りて運転した時も大変でした。私はイタリア語やフランス語は分からないし、道路標識が苦手。娘が助手席に座って、思い切り古いカーナビを見ながら、地図を見ながら行くのですが、何度も高速道路に乗りそびれたりしながら、必死で目的地まで辿り着きました。辿り着いても、荷物を降ろしても民泊や安宿だと誰も出てきてくれないし、自分で駐車場まで停めに行かなくてはなりません。子供と荷物をロビーに残して、指示された駐車場までハラハラしながら停めに行きました。それ以来、レンタカーを運転してホテルに宿泊する時は、ドアマンのいる星4つ以上のホテルを選ぶことにしました。

そんな危険な目に遭いながら、どうして小さな子を連れて、自由旅行をするの? でも、危険といっても、せいぜい持ち物が盗られるくらいです。買い直すこともできるし、旅行の保険も入っているし(とはいえ、現地の警察の証明を取るのは大変な手間です)。

大切なのは、日本では学べないこと、置き引きやスリやひったくりなどが、日常茶飯事の場所もある、言葉が通じない国がある、私たちの他に守ってくれる大人がいない時もある。そこでどうやって自分たちの身を守るかということを、体験を通して覚えることが大事なのだと思います。冷静に状況判断をして、瞬時に最善の選択をする訓練には旅は最高です。


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