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お骨住み(オホネズミ)
あるとき住んでいたホネの話をしよう。そこは居心地が悪いと、はじめは感じていた。粒子が細かすぎて、ざらざらとした感触も圧もないから、心もとなく不安だった。それまで住んでいたのは、もっと押し出しの強く粗い粒子のホネばかりだったから、その違和感に、俺はホネじゃないところにまぎれこんでしまったのかと思ったほどだった。しかし、しばらくすると慣れてきた。だいたい、ひとのホネに入るというのは、毎度未知の海に跳
もっとみるあるとき住んでいたホネの話をしよう。そこは居心地が悪いと、はじめは感じていた。粒子が細かすぎて、ざらざらとした感触も圧もないから、心もとなく不安だった。それまで住んでいたのは、もっと押し出しの強く粗い粒子のホネばかりだったから、その違和感に、俺はホネじゃないところにまぎれこんでしまったのかと思ったほどだった。しかし、しばらくすると慣れてきた。だいたい、ひとのホネに入るというのは、毎度未知の海に跳
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