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髪切った(#115)

国際結婚・妻が日本人の場合の・あるある。
出会った頃は、黒髪の長いストレートヘアでいかにも日本女性っぽい髪だったのが、歳とともに、髪の長さがどんどん短くなり、夫は不満に思う。「こんなに髪を短くするなんて・騙された」と言わんばかりだ。こちらからすればそんな勝手なこと言われても、とイラっとする。
「今日は髪を切りに行くんだ」というと、「ヘルメットになるのか」と夫はいう。ちびまる子ちゃんの髪型をヘルメットというなら、そうだ。悪いか。

ここしばらくはヤスコさんに切ってもらっている。私の場合は年に2回のヘアカットなのだ。髪染めもパーマもしない。ただカットしてもらうだけ。前から見たらそれほど短くなく・見えない後ろは短くしてくれるようお願いする。前下りのボブ。少しは夫に気を遣っているのだ。髪を切るといつも思う。ああ・頭が軽い。髪って重いんだよな。

私が教えてる16歳のミアが15歳の時に、背中まであった髪をバズカット(坊主)にして現れた。たまげた。夏の暑い日が続いている中だったので、気持ちはわからんでもないが、勇気ある。「親はなんて言ってる?」「父親が髪きるの手伝ってくれたの」「そうなんだ・・・お母さんはなんて言ってるの?」「特に何も。びっくりしてたけど」。ミアはお絵描きとテイラー・スウィフトの音楽が好きな心の優しい・おとなしめの女の子だ。決してパンクではない。だからなおさらびっくりした。しかも父ちゃんが手伝ってくれたのだよ。目が大きくて・もともと可愛い顔立ちなので、ロングよりショートが似合う。バズカットも悪くない。

私が16歳の頃を思い出した。フット・ルースの映画を友達と見に行って、髪の毛がツンツン立ってる主人公役のケビン・ベーコンの髪型が大好きになって、私もあんな髪型にするんだ、と。美容院で短くカットしてもらった。私はとても気に入って、周りにも評判良かった。しかし、父親からはひんしゅく・激怒で、父の運転する車に乗ってる時、今すぐ降りて自分で勝手に帰れっ、とおろされた。ひどくない?

私が羨ましく思う職業に美容師がある。かっこいい。そして、いつでもどこでも必要とされていて感謝される。良いハサミさえあれば仕事ができる。腰につけてるシザーケースとかもう憧れる。かっけー。絵を描くのに比べたら、絶対に世の中への貢献度が高い。

心が重くなるようなテレビのニュース。目を閉じて想像する。20代の体力と人生経験を積んだ賢い現在の頭脳を持ち合わせた私。美容師の友達とチームを組む。ボランティアで被災地や紛争地帯の子供達の髪をカットしてあげて、可愛らしくなった顔をカリカチュアで面白く描いてプレゼントしてあげる。笑顔になる。

あなたが、かっけーと思う憧れの職業はなんだろう。あなたの想像力が私の武器。今日も読んでくれてありがとう。

えんぴつ画・MUJI B5 ノートブック

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