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健康だけが取りえのおバカさんなの?(#100)
柴田元幸・高橋源一郎による対談「小説の読み方、書き方、訳し方」を読んでいる。小説とは何かを説明している部分を引用しよう。
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高橋:小説は柴田さんもよくご存知のように、芸術としてはもともと隙間産業のようなものですよね。詩や戯曲や散文と違い、怪しい出自のものです。・・・いつの間にか生まれて、周りの影響を受けて成長してきた健康優良児というか、私生児というか、健康なだけが取り柄のお馬鹿さんというふうに、僕は感じているんです。
柴田:にもかかわらず、優等生みたいに祭り上げられてしまった。
高橋:そう、一時期優等生にされてしまったんですね。そしてたまたま優等生にされた時期に、それが小説本来の姿だと不幸な思われ方をしただけだった。だから、もう誰も優等生とは思ってくれないというのは、いいことだと思います。権威づけられるレッテルもなくなって、失うものもない。だから本来の不良に戻ればいいんじゃないかと思います。
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ふうん、小説は詩なんかに比べると歴史が浅く新参者なんだ~。そして本来は不良か・・・知らなんだ。小説の定義はあってないみたいなもんなんだな。さらに小説の特徴を述べている部分を引用しよう。
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高橋:・・・「小説」の最大の特徴は、「人間」がそこに登場することです。「小説」以上に「人間」というものを説明できる手段を我々は持っていないのです。
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詩や戯曲などは「思い」と「観念」があれば、人間が登場しなくてもできるらしい。戯曲に出てくるのは「人間の象徴」だけで十分だと。小説には等身大の人間が出てきて何かを行う。そういう形の言語表現なんだと。なので「人間とは何か」という問いがある限りは小説は求められ続けるはず・その問いに答えられる能力をもった芸術形式こそが小説なのだということだ。
私はここまで読んで、気が楽になった。自分で小説の形が決められるという自由を手に入れた気がした。子供の心に戻って、好きなことを好きな言葉でつづればいいのだ。読んで面白いという人が周りにいれば、小説が成り立つ。すごくシンプルだ。この気分でつらつら書いてみよう。
あなたが子供の心で自由に書くとしたらどんな小説になるのかな?
あなたの想像力がわたしの武器。今日も読んでくれてありがとう。
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