育休中も働きたくて「半育休」について調べたこと
昨年の夏、8年ぶりに第二子を出産しました。そのときに育休中も部分的に働く、いわゆる「半育休」を取りたくて試行錯誤しました。育休を取れる、恵まれた立場であることは承知の上での考えです。
2022年の改正育児・介護休業法で新たに誕生する「男性産休」
本題に入る前に、半育休にも少し関連する育児・介護休業法の法改正について触れておきたいと思います。
2022年4月と10月に、育児・介護休業法の法改正が予定されています。4月の改正では、企業が育休を取得しやすい環境を整えることが義務付けられます。続く10月の改正では、子の出生直後の男性への育休制度が新設されます。これは「男性産休」などと呼ばれています。
男性産休には「労使協定を締結している場合に限り、労働者・事業主間の調整により、育児休業中の就業が可能になる」という項目があります。これには賛否両論があると思いますが、働き方・休み方に多様な選択肢があること自体は、よいことだとわたしは思っています。
今回の法改正での「育児休業中の就業が可能になる」は、男性を対象とした話です。女性についてはそのような制度はなく「育休を取る」か「育休から復帰する」の二択が基本です。
ところが法改正前の現時点でも、育休を取りながら少しだけ働く、いわゆる「半育休」と呼ばれる働き方が認められていることを知りました。
「半育休」のポイント
半育休とは、育休中に育休手当を受給できる範囲で少しだけ働くことを指します。
具体的には月10日(10日を超える場合は80時間)以下の就労であれば、育休手当(育児休業給付金)が支給されます。半育休は、条件さえ満たせば男性でも女性でも取得できるものです。ちなみに半育休は正式な用語ではありません。厚労省は「育休中の一時的・臨時的な雇用」と定義しています。
一時的・臨時的…これが重要なポイントです。
たとえ月10日以内であっても、毎週〇曜日に〇時間、などの働き方は半育休として認められません。また、在宅勤務・テレワークも半育休では認められず、あくまでも出社することが前提です。(今このご時世でテレワークが許されないのは、制度としてかなり使いにくいと感じますが…あくまでもイレギュラー扱いなので、そもそも使わせたくないのだと思われます)
半育休と認められない場合は、社会保険料の免除がなくなったり、育休手当が減額されたりします。
育児休業期間中に就業した場合の育児休業給付金の支給について(厚生労働省)
また、事業主(会社)からの一方的な指示で育休中の従業員を働かせることはできないので、従業員が自分から申し出ることが不可欠です。従って、産休に入る前から「自らの意思で、こういうことがあるかもしれません」と会社と交渉することが必要になります。
半育休のポイントをまとめると
労使の合意が必要(従業員からの申し出が大前提)
「一時的・臨時的な雇用」であること
条件の範囲内で働かないと手取りが減る可能性がある
妊娠が判明し、報告できるタイミングになってから産休に入るまでの日々は長いようで案外あっという間です。会社との交渉にかかる時間を考えると、安定期に入ってすぐにでも半育休を取りたい(定義上は「一時的・臨時的な仕事があった場合に勤務を希望する」)旨の申し出をした方がよさそうだと思いました。
なかでも「労使の合意」については、会社の規模感や社風(大企業、中小、古い会社かベンチャーかなど)が大きく影響します。わたしの会社は組合もあり、労使交渉もしっかり行われるいわゆるTHE・日本企業なので労働環境が守られている反面、この手の交渉が難航することが容易に目に浮かびました。
なぜ半育休をとりたいと思ったか
1人目の出産では1年半の産育休を取り、初めての子育てに試行錯誤しながらも、社会人人生初の長期休業で充実した時間を過ごしました。現在はその子も小学生になり、放課後学童クラブから自分で徒歩で帰ってくる、お迎えがいらない年齢になりました。
一方で、長引くパンデミックの影響で、仕事は在宅勤務、テレワークでの働き方がスタンダードになりつつありました。
育休については、1人目の育休復帰後のマミートラックが軽いトラウマでもありました。
ホワイトで昔ながらのTHE・日本企業であるわが社では「お母さんは無理しないでね、出張や大きなプロジェクトは負担だろうから候補者からは外しておいたよ(優しさ)」のような「アンコンシャスバイアスに基づく過剰な配慮」がそこかしこに存在しており、悶々とした日々を過ごした時期がありました。
産前からバリキャリ思考ではなく、趣味などプライベートの時間も欲しいので仕事はそこそこに、キャリアをゆるく細くつないでいきたい派でしたが、マミートラックの経験からも「今は長く休みたくない、少しでもいいので働くことはできないだろうか」と考えるようになりました。
8年前とは社会状況も個人的な環境も大きく異なるなかで「半育休、とりたいなぁ」という思いは強くなっていったのです。
続きは次のnoteに書いていきます。
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